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古顎類

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古顎類
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古顎類(こがくるい、Palaeognathae)は、鳥類の分類群の一つ。

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概要

ダチョウなど地上性・半地上性の数目(分類学説によっては1目)が含まれる分類群である。階級古顎上目または古顎下綱とすることが多い。古口蓋類上目とも訳す。走鳥類と呼ぶこともあるが、この語はやや狭い平胸類の意味で使うこともある。

鳥類は原始的な古顎類と進化的な新顎類に大きく分かれる。このことを指摘し、それぞれに命名したのは W. P. Pycraft (1900) である。新顎類とは新生代の初期に分岐したとみられる。現生鳥類のほとんどは新顎類であり、古顎類は非常に少ない。

Sibley ら (1988) は古顎類を下綱と小綱に位置づけた(下綱は単型となる)。下綱としては、「暁の鳥」を意味する Eoaves と名づけた。ただし Eoaves の定訳はなく、日本語ではそのまま古顎下綱と呼ばれる。小綱としては、平胸小綱 Ratitae の名を使った。ただし通常は、平胸類 Ratitae には古顎類のシギダチョウ科を含まない。

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特徴

地上性(飛べない鳥)ないし半地上性である。唯一シギダチョウ科のみが、もっぱら地上で生活するものの多少は飛ぶことができる。

シギダチョウ科以外は、通常の鳥類なら胸骨にある、飛翔筋が付く構造である竜骨突起を失っており、平胸類と総称される。竜骨突起の喪失はペンギンドードーニワトリなど他の飛べない鳥類にはない特徴で、このためまったく飛ぶことができない。ただしこれは、古い鳥類だからではなく、祖先は発達した竜骨突起があったものの二次的に失ったと考えられている。なお、平胸類に対し、竜骨突起のあるシギダチョウ科を深胸類と呼ぶ。

いずれも草食である。

系統

従来、平胸類はシギダチョウ科と姉妹群であり、シギダチョウ科と分化した後に竜骨突起を喪失したと考えられてきた。

しかし分子系統学により、古顎類の中で最初に分岐したのはダチョウであり、平胸類は単系統ではないことがわかった。一度失われた竜骨突起がシギダチョウ科の系統で再び獲得されることは考えにくいため、竜骨突起の喪失は平胸類の各系統ごとに複数回起こり、平胸類は(側系統ではなく)多系統ということになる[1]

下はMitchell et al.(2014)[2]による系統樹。

古顎類

ダチョウ目 Struthioniformes

Notopalaeognathae

レア目 Rheiformes

シギダチョウ目 Tinamiformes

モア目 Dinornithiformes

Novaeratitae

キーウィ目 Apterygiformes

エピオルニス目 Aepyornithiformes

ヒクイドリ目

ヒクイドリ科 Casuariidae

エミュー科 Dromaiidae

Casuariiformes
Palaeognathae

分類

要約
視点

現生群

目・科の分類はIOCによる[3]。目分類は諸説ある。

絶滅群

目分類の諸説

目分類は各種ある。現生5群(エミュー科とヒクイドリ科は1群とする)の主な分類は次のとおり。(おおよそ古くからある順になっているが完全ではない)

さらに見る 分類, 平胸類 ...

この中でもよく使われるのは、上2段の、5目に分ける分類か、シギダチョウ科以外の全てをダチョウ目(広義のダチョウ目 Struthioniformes sensu lato と呼ばれる)にする分類である。古くは前者が主流だったが、1979年、Mayrが4つの目を1つのダチョウ目に統合して以来[5]、後者の分類が広まった。近年は、広義のダチョウ目が側系統だと判明したため、再び5目に分ける分類が標準になりつつある。

現在から見れば、ダチョウ科のみで1目とするか古顎類全体を1目とする分類が系統分類的といえる。ただしそれは結果論であり、必ずしも正しい系統に基づいて系統分類が提唱されたわけではない。

絶滅科では、モア科はモア目とすることが多い。エピオルニス科はダチョウ目、リトルニス科はシギダチョウ目に含めることもあるが、独立目にすることもある。

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脚注

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