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噴水のそばに男女のいる牧歌的情景
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『噴水のそばに男女のいる牧歌的情景』(ふんすいのそばにだんじょのいるぼっかてきじょうけい、英: Pastoral with a Couple near a Fountain)、または『秋の牧歌的情景』(あきのぼっかてきじょうけい、仏: Un automne pastoral, 英: An Autumn Pastoral)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠フランソワ・ブーシェが1749年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。現在、ロンドンのウォレス・コレクションに所蔵されている[1]。やはりウォレス・コレクションに所蔵されている『バグパイプ奏者のいる牧歌的情景』とともに対作品をなしている[1]。
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作品

ブーシェは、『牧歌的情景』 (エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク) [2]や『田園生活の魅力』 (ルーヴル美術館、パリ) [3]など「パストラル」 (牧歌) 主題の数々の作品を描いているが、本作と『バグパイプ奏者のいる牧歌的情景』は、この主題の作品中でも最も野心的なものである[1]。
アントワーヌ・ヴァトーが「雅宴画」で描いた理想郷を、ブーシェは理想化されたイタリア的場面として設定した。ヴァトーが描いた同時代のパリの人々を理想化された男女の羊飼いたちに置き換えたのである。さらに、ブーシェは当時の現実から彼の情景を引き離し、まったく空想的な世界を創造した。そして、ヴァトーが小さな作品を描いたのに対し、本作のような大規模な牧歌的情景の室内装飾画を制作したのである[1]。
本作は、ブーシェの友人シャルル・シモン・ファヴァールの大人気を博したパントマイム劇の登場人物にインスピレーションを受けている[1]。ブーシェが舞台美術デザイナーを務め、熱心な観客でもあったオペラ・コミック (Opéra Comique) において、ファヴァールのミュージカルは、アルカディア (ユートピア) の理想主義ならびに牧歌詩の貴族的繊細さを大衆劇の田舎風感傷主義と組み合わせたものであった。本作の場面は、1745年にファヴァールにより制作されたパントマイム劇『タンぺの谷の収穫 (Les Vendanges de Tempé)』の第4幕にあたり、恋に落ちた若い羊飼いがヒロインのリゼット (Lisette) にブドウを食べさせている場面である。右側で見守る羊飼いは、レンブラントのエッチングから採られている[1]。
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脚注
参考文献
外部リンク
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