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嚢胞性線維症

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嚢胞性線維症
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嚢胞性線維症(CF症)(のうほうせいせんいしょう、Cystic Fibrosis)は、遺伝性疾患の一種で、常染色体劣性遺伝を示す。白人に高頻度で見られ、欧米白人では2500人に一人発病し、患者数は30,000人、最も頻度の高いユダヤ人アシュケナジーでは25人に1人は保因者である。原因は塩素イオンチャネルCFTR)の遺伝子異常で、水分の流れに異常をきたし粘液の粘度が高くなる。鼻汁の粘性が強くなると副鼻腔に痛みを感じ、痰の粘性が強くなると、気道を閉塞し肺炎を繰り返すようになり、ついには気管支拡張症をきたす。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症も併発しやすい。胆汁の粘性が強くなると、胆石をおこしたり、膵炎をおこしたり、肝機能障害からついには肝硬変をきたす。ただし軽い場合は成人後発病することもある。

概要 嚢胞性線維症, 概要 ...
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診断

診断基準、診断のカテゴリー、重症度分類は下記の通り[1]

診断基準

A. 臨床症状
  1. 膵外分泌不全
  2. 呼吸器症状(感染を繰り返し、気管支拡張症呼吸不全を来す。ほとんどの症例が慢性副鼻腔炎を合併する。粘稠な膿性痰を伴う慢性咳嗽を特徴とする。)
  3. 胎便性イレウス
  4. 家族歴
B.検査所見
  1. 汗中塩化物イオン(Cl)濃度
    異常高値:60mmol/L以上
    境界領域:40–59mmol/L (生後6か月未満では 30–59mmol/L)
    正常:39mmol/L以下(生後6か月未満では 29mmol/L以下)
  2. BT-PABA試験:70%以下、又は便中エラスターゼ:200 µg/g以下を膵外分泌不全とする。
C. 鑑別診断
D. 遺伝学的検査
  • CFTR 遺伝子の変異

診断のカテゴリー

Definite
  1. 汗中塩化物イオン濃度の異常高値に加え、特徴的な呼吸器症状を示すもの。
  2. 汗中塩化物イオン濃度の異常高値に加え、膵外分泌不全、胎便性イレウス、家族歴のうち2つ以上を示すもの。
  3. 臨床症状のうちいずれか1つを示し、2つの病的な CFTR 変異が確認されたもの。
Probable
  1. 汗中塩化物イオン濃度の異常高値に加え、膵外分泌不全、胎便性イレウスのいずれか1つを示すもの。
  2. 汗中塩化物イオン濃度が境界領域であり、特徴的な呼吸器症状を示すもの。
  3. 汗中塩化物イオン濃度が境界領域であり、膵外分泌不全、胎便性イレウス、家族歴のうち2つ以上を示すもの。
  4. 臨床症状のうちいずれか1つを示し、1つの病的な CFTR 変異が確認されたもの。

重症度分類

Stage 0
呼吸器異常[注釈 1]及び栄養障害[注釈 2]が無い
Stage 1
呼吸器異常が無く栄養障害が軽度
Stage 2
呼吸器異常が軽度又は栄養障害が中等度
Stage 3
呼吸器異常が中等度又は栄養障害が重度
Stage 4
呼吸器異常が重度
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脚注

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外部リンク

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