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多相睡眠
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多相睡眠(たそうすいみん、polyphasic sleep、分割睡眠 segmented sleep, divided sleep)は、一日に複数回の睡眠をとることである。人工照明発明以前の人類が行っていた、動物の一般的な睡眠法とされる[1]。
2相睡眠(biphasic sleep)
電気照明が発明される以前の中世、近世ヨーロッパでは、人々は夜寝始めの「第1睡眠」、夜中に目が覚めて朝まで寝る「第2睡眠」の2回の睡眠を取っていた[2][3]。
冬のような短い昼日光(10時間以下)の期間、ヒトは2相睡眠に適応する[4]。
人工照明の無い生活をするとヒトは2相睡眠を行う[5][6][7]。これは1992年にトーマス・ウェーアによる研究で確かめられた[8]。ウェーアは数週間実験したところ、被験者は4時間眠り、2,3時間起き、再び4時間眠るという睡眠パターンをとった[9]。
歴史
「第1睡眠」「第2睡眠」の用語は、古くはホメーロスの『オデュッセイア』、ウェルギリウスの『アエネーイス』といった、紀元前に書かれた書物にみられる[10]。中世またはそれ以後も『ドン・キホーテ』、『モヒカン族の最後』、『ジェーン・エア』、『戦争と平和』といった小説で言及があり、19世紀の1000以上の新聞でも「第1睡眠」「第2睡眠」の記述があるという[10]。しかし、この睡眠が一般的だった時代には、この睡眠方法についての調査や研究はなく、詳細についてはわかっていない[11]。ヨーロッパ以外では、ナイジェリアのティヴ族がこの睡眠方法をとっていたことが1969年の調査で明らかになっている[9]
この睡眠方法は、17世紀終わりごろから、都市部を中心に徐々に一般的でなくなっていった。この原因の1つには人工照明の普及が挙げられる。人工照明によりこれまでの睡眠のリズムが変化し、人々は1度に睡眠をとるようになったと考えられている[12]。
名称
中世英国、ロマンス語諸語、ナイジェリアのティヴ族では、最初の眠りを「第1睡眠」、一度目が覚めてから2度目の眠りを「第2睡眠」と名付ける[13][14]。
- 英語:first sleep (dead sleep) 、second sleep (morning sleep)
- フランス語:premier sommeil (premier somme)
- イタリア語: primo sonno
- ラテン語: primo somno (comcubia nocte)
双方の睡眠の間の覚醒状態はフランス語では dorveille (睡眠と覚醒の間) と呼ばれる[15]。
生活リズム
「第1睡眠」「第2睡眠」が一般的だった時代、人々は午後9時または10時頃に睡眠に入り、約3時間半後に目を覚まして1時間程度過ごし、その後再び3時間半ほど寝ていたと考えられている[10]。
第1睡眠と第2睡眠の間の行動としては、執筆活動、読書、裁縫、祈り、トイレ、軽食、掃除、隣人との話などがあった[10]。ベンジャミン・フランクリンはロンドンに在住していたとき、早朝に起きて裸で読書や書き物をして、その後ベッドで1,2時間睡眠をとっていたという[16]。
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睡眠パターンの比較
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関連項目
参照
参考文献
外部リンク
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