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後退微分法
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後退微分法(こうたいびぶんほう、英: backward differentiation formula; BDF)は常微分方程式の数値解法の一つである。線型多段法の一種で、過去の複数の値を用いて現在値を計算する方法である。特に硬い微分方程式の解を計算するときに使われている。
定義
要約
視点
常微分方程式とその初期値問題を次のように定める。
一般的に、BDFは次の形で表される[1]。
ここで、h は時間の刻み幅で、 は離散化した時間であり、係数 と は方法の次数を最大化するために選択される。s段法の場合、最大次数は s である。
BDF方法はすべて陰公式のため、一時刻ごとに(一般的な)非線形方程式系を解く必要がある。陰公式を解くためにはニュートン法のような反復法がよく用いられる。
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公式
要約
視点
s段BDF方法(s < 7)は次通り[2]:
- BDF1: ; (後退オイラー法)
- BDF2:
- BDF3:
- BDF4:
- BDF5:
- BDF6:
s>6の場合、BDF方法は零点安定性が失われるため使えなくなる[3]。
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安定性
硬い微分方程式の解を計算する数値解法の安定性は、複素数平面に絶対安定性(absolute stability;または線型安定性、linear stability)の保証できるエリアとして示されている。BDF方法の絶対安定性領域 (region of absolute stability) は下記プロットのピンクエリアである。
安定性領域が左複素数平面を含む数値解法はA-安定(A-stable)と呼ばれる。数値解法がA-安定のほうが一番理想的だが、線型多段法に限って3段以上の方法はA-安定ではないと証明できる。プロットから見ると、3段以上のBDFの安定性領域はほとんどの左複素数平面とすべての負の実軸を含んでいる。そのような広い安定性領域を持つ線型多段法の中では、BDFが一番効率的だと考えられる[4]。
脚注
参考文献
外部リンク
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