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御所川原

セイヨウリンゴの一品種 ウィキペディアから

御所川原
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御所川原[注 1](ごしょがわら)は、青森県五所川原市のみで栽培されている、リンゴ(セイヨウリンゴ)の栽培品種の一つである。果実は小型、果肉は特に周縁部が赤くなり(図1)、酸味が多い。ジュースジャムなどに利用されている。‘御所川原’と、これを品種親とした‘栄紅’、‘レッドキュー’はいずれも果肉が赤くなるリンゴであり、まとめて「赤~いりんご」として五所川原市の特産ブランド化されている[5]

概要 ‘御所川原’, 属 ...

特徴

一般にリンゴのは白色だが、‘御所川原’の花は紅色であり、若葉や枝も赤みを帯びている[6][7][5][8]。自家結実率が比較的高い[7]中生種であり、収穫期は9月下旬[7][9]

果実は小型で重さ150–200グラムほどであり、長円錐形、果柄は長い[7][9]。果皮の地色は黄色、赤色に色づく[9]。果肉の特に周縁部に、アントシアニンが蓄積して赤くなる[7]。果肉は粗で硬く、甘味もあるが、酸味が強く、渋味もある[7][9][10]。貯蔵性は比較的良い[7][9]

起源

梅沢村(現 五所川原市梅田)村長を務めた育種家である前田顕三が、1939年(昭和14年)から20数年をかけて果肉が赤いリンゴを複数系統作出したが、種苗登録する前に亡くなった[5][11][12]。孫の前田榮司がこれを引き継ぎ、さらに青森県五所川原市が3系統を譲り受け、そのうち1つから選抜を行い、特徴が安定していることを確認し、1993年(平成5年)に種苗法に基づく品種登録を出願、1996年(平成8年)に‘御所川原’として登録された(第5077号)[11][7][10]。‘御所川原’は、五所川原市域以外で育成することは禁じられている[10]。2016年以降、苗木の育成・管理は、株式会社アグリコミュニケーションズ津軽に委託されている[10]

利用

‘御所川原’の果実は、強い酸味があることから加工用とされ、ジュースワインジャム洋菓子花茶等が商品化されている[8][13][14][15]。五所川原商工会議所では、‘御所川原’など五所川原市特産の果肉が赤いリンゴ品種を「赤~いりんご」として全国ブランド展開を図っており、中小企業庁の平成20年度「地域資源∞全国展開プロジェクト(小規模事業者新事業全国展開支援事業)」に採択された[5][16]。健康食品、化粧水などの美容関連商品、赤いシードルなどの商品化を支援している[5]

五所川原市一ツ谷地区には、水路沿いの約1キロメートルに渡って約300本の‘御所川原’が植えられており、「赤〜いりんごの並木道」として観光名所になっている[5][13][17]

派生品種

青森県五所川原市において、‘御所川原’を種子親、‘王林’を花粉親とした交配が行われ、実生から選抜育成されたものが‘栄紅’(えいこう)として2016年に品種登録された[11][10]。‘栄紅’の果実は大きさ150–220グラム、果肉が赤く、さっぱりした甘さと、‘王林’のような芳香がある[11]。晩生性であり、収穫期は10月下旬から11月上旬[11]

また、同じく五所川原市において‘御所川原’を種子親、‘金星’を花粉親とした交配が行われ、実生から選抜育成されたものが‘レッドキュー’として2018年に品種登録された[11][10]。収穫期が9月上旬から中旬の早生性であり、収穫直後の特有の渋みが少ない点で‘御所川原’と異なる[11]

脚注

外部リンク

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