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成功したオタク

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成功したオタク』(せいこうしたオタク、原題:성덕、題:Fanatic)は、2021年公開の韓国ドキュメンタリー映画韓国芸術総合学校に通う大学生のオ・セヨンは「推し」のチョン・ジュニョンに認知され、テレビ共演までした "成功したオタク" だった。ところが2019年にチョンは性加害事件で逮捕され、集団性暴行罪で有罪判決を受ける[6]。「推しがある日突然犯罪者になる」という経験をした友人たちを、オ・セヨンはインタビューして回り、対話の記録をユーモラスにまとめ上げた[7][8][9]

概要 成功したオタク, 監督 ...
概要 成功したオタク, 各種表記 ...
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概要

要約
視点

釜山広域市出身のオ・セヨンは中学生のときに男性歌手のチョン・ジュニョンを知った。韓服を着てソウルまで会いに行き、好きなチョンに名前を覚えてもらい、テレビ共演までした。ファンの間で "成功したオタク" として知られる存在となり、高校卒業後の2018年には韓国芸術総合学校映像院映画科に入学した[7][8]

ところが大学2年の2019年3月11日、チョンがV.Iの参加するカカオトークのグループチャットに複数の女性との性行為を盗撮した動画を流していたことが報道により明らかとなった[10]。チョンは同月13日に所属事務所を通じて芸能界引退を宣言し[11]、同月21日に逮捕された[12][13]。さらに被害者の証言などにより、2016年1月に江原道洪川郡で、同年3月に大邱広域市でそれぞれ泥酔した女性を集団で強姦していたことが明らかとなった[6][14][15]

「推し活」が人生のすべてだったオ・セヨンは受け入れがたい現実に苦悩しつつ、同様の経験をした友人たちのことを思い始めた。同年7月から彼女たちを訪ねて回り、インタビューを撮り続けた[9]。オが会った者の中には、チョンの性行為盗撮に対する告訴を2016年9月にスクープしたスポーツソウルの女性記者のパク・ヒョシル[16]もいた。報道後検察が早々と嫌疑なしの処分を下したため[17]、パク記者はファンを含むネチズンたちによって激しい批難にさらされた[18][16]。オはパクと差し向かいに座り(カメラはパクの後方から撮っているためパクの顔は写っていない)、謝罪した[18]。そして2016年当時に綴った「愛の日記」を読み上げると、パクは思わず声を出して笑った[注 1]。オがパクに「ファンのなかにも『悪いのは彼の友だちだ』『彼は他人の罪を着せられた』と言ってかばう人たちがいます。どう思いますか?」と尋ねると、パクは「朴槿恵元大統領の支持者と同じですよ」と答えた。

オは、朴槿恵の無罪を信じ釈放を求める支持者たちの集会に潜入。朴正煕元大統領、妻の陸英修、子の朴槿恵の3人の写真が並んだ垂れ幕や、大量の太極旗にまじってはためくアメリカ合衆国の国旗などをカメラに収めた。会場では乞われるままに、朴槿恵宛ての葉書を書いた。その後、朴正煕の出身地である慶尚北道亀尾市に行き、記帳に書かれた「閣下!尊敬しています。愛しています」などの言葉と、朴の巨大な銅像[19]を撮影した。

韓国映画振興委員会からの資金援助を受けて[20]、撮影は2021年8月まで行われた。完成した映画は同年10月、第26回釜山国際映画祭のワイドアングルドキュメンタリー競争部門に招待された[18]。11月14日には光州女性映画祭で上映された[2]

日本語の「オタク」は意味も発音もほぼそのまま韓国に輸入され、「오덕후(オドック)」として定着した。やがて語頭の「オ」が省略され、「덕후(トック)」と呼ばれるようになった[21]。それぞれの「推し」の分野で成功を収めた人は「성공한 덕후(ソンゴンハン ドック)」となり、それも省略されて「성덕(ソンドク)」となった。オは自嘲を込めてこの言葉を作品のタイトルにした[22]

2022年9月28日、韓国で一般公開された[4]。同年11月、オは日記とインタビュー、公開後の反響やエッセイをまとめた『成功したオタク日記』を刊行した[7]。同年12月、第58回大鐘賞のドキュメンタリー賞にノミネートされた。

2024年3月30日、日本で一般公開された[5]。同年7月11日、『成功したオタク日記』は日本のすばる舎から翻訳出版された。10月1日、U-NEXTで先行独占配信された[23]

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脚注

関連項目

外部リンク

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