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放射線取扱主任者

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放射線取扱主任者
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放射線取扱主任者(ほうしゃせんとりあつかいしゅにんしゃ)は、日本放射性同位元素等の規制に関する法律(以下、放射性同位元素規制法)に基づく国家資格の一つである。試験は公益財団法人原子力安全技術センターが実施[2]し、免状の交付は受講者が選択した登録資格講習機関(複数)が実施する資格講習を修了(修了試験がある)した者の申請により、原子力規制委員会が行う[3]

概要 放射線取扱主任者, 実施国 ...

概要

放射性同位元素規制法に基づいた放射性同位元素あるいは放射線発生装置の使用者(一般には法人等を指す)、販売業者、賃貸業者及び廃棄業者(以下、許可届出使用者等)は、同法に基づき、放射線障害の防止について監督を行うために放射線取扱主任者(以下、主任者)を事業所ごとに1名以上選任し、原子力規制委員会に届け出なければならない。すなわち、この資格は放射性同位元素等を直接取り扱う各個人に要求される資格ではなく、放射線安全管理の統括を行い、法令上の責務を担う者が所持する必要がある資格である。

なお、放射線取扱主任者免状を持たない者であっても、医療現場での診療目的であるのなら、医師または歯科医師を放射線取扱主任者として選任することが可能である。また、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条で規定される医薬品等の製造所では薬剤師を放射線取扱主任者として選任することができる[4]

この主任者資格には第1種、第2種、第3種の3種類がある。資格取得の難易度は第1種が最も難しく、試験合格率は20パーセント程度であるが、第1種は業務範囲が最も広く、いかなる施設においても選任することができる。第1種及び第2種は原子力規制委員会登録試験機関が主任者試験を行い、合格者は更に、原子力規制委員会登録資格講習(以下、資格講習)機関の資格講習を受講することによって資格を取得できる。第3種は試験ではなく、資格講習を受講することによって資格を取得できる。

放射性同位元素規制法の放射線とは、電磁波または粒子線のうち、直接または間接的に空気を電離する能力をもつもので

  1. アルファ線重陽子線陽子線その他の重荷電粒子線及びベータ線
  2. 中性子線
  3. ガンマ線及び特性エックス線(軌道電子捕獲に伴って発生する特性エックス線に限る。)
  4. 1メガ電子ボルト以上のエネルギーを有する電子線及びエックス線

をいう。

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主任者の法の規定及び職務

  • 主任者は単なる放射線管理担当者でなく、放射線障害防止法に基づき、監督者として、誠実にその職務を遂行しなければならない。
  • 使用施設等に立ち入る者は、主任者が放射性同位元素規制法に基づく命令または放射線障害予防規程の実施を確保するためにする指示に従わなければならない。
  • 許可届出使用者等は、放射線障害の防止に関し、主任者の意見を尊重しなければならない。
  • 主任者の主な職務を示す。
  1. 放射線障害予防規程の制定及び改廃への参画
  2. 放射線障害予防上重要な計画作成への参画
  3. 法令に基づく官辺手続きの審査
  4. 立入検査等の立会い
  5. 異常及び事故の原因調査への参画
  6. 事業者に対する意見の具申
  7. 使用状況、施設、帳簿及び書類等の審査
  8. 関係者への助言、勧告及び指示
  9. その他放射線障害予防に関し必要な事項
主務官庁

選任区分

さらに見る 主任者の種別, 事業者 ...

試験(第1種及び第2種)

受験資格

  • 誰でも受けられる。第1種及び第2種は主任者試験に合格すると合格証が交付される。合格証では主任者に選任できない。
  • 免状を取得するには、合格後に資格講習を受講・修了する必要がある。

試験科目

さらに見る 第1種, 第2種 ...
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資格講習

  • 第1種及び第2種主任者試験に合格して免状を取得するには、この資格講習の受講を必要とする。放射性同位元素規制法の規定により、18歳未満の者は放射性同位元素等を取り扱うことが出来ないため、18歳未満の者は主任者試験に合格することは出来るが、資格講習の受講は18歳に到達してからとなる。
  • 第3種は主任者試験が不要で、直接この資格講習を受講・修了すれば免状を取得できる。
  • 資格講習(第1種、第2種及び第3種とも、以下同じ)を受講し修了試験に合格すると、本人の申請により原子力規制委員会の免状が交付される。
  • 資格講習は主任者への実務・実技講習を主体としている。
  • 資格講習機関の講習内容をコストパフォーマンス順に以下に示す。
さらに見る 種別, 資格講習機関 ...

資格講習課目

さらに見る 第1種(5日間), 第2種(3日間) ...
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定期講習

定期講習は原子力規制委員会登録定期講習機関が主任者の資質向上を図るために定期的に実施する講習である。事業者は放射性同位元素規制法に基づき、主任者に受講期限までに定期講習を受講させなければならない。

受講対象者

  • 下記事業所等の選任された放射線取扱主任者(法律施行規則第32条第1項)
    • 許可届出使用者
    • 届出販売業者
    • 届出賃貸業者
    • (表示付認証機器のみを販売または賃貸する者及び放射性同位元素等の運搬及び運搬の委託を行わない者を除く。)
  • 選任された放射線取扱主任者以外の者で、本講習の受講を希望される者。つまり誰でも受けられる。
さらに見る 事業者, 受講期限 ...

以下に定期講習機関の講習内容及び許可届出使用者の受講料を優待割引を除いたコストパフォーマンス順に示す。

さらに見る 定期講習機関, 基本の受講料(@税込み円) ...

講習の種別及び必要時間

さらに見る 講習の種別, 対象者 ...
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放射線取扱主任者に付与される資格

第1種放射線取扱主任者免状の交付を受けた者は、都道府県労働局長に対し免許交付申請をすることで、エックス線作業主任者免許の交付を受けることが出来る[5]
第1種放射線取扱主任者免状または第2種放射線取扱主任者免状の交付を受けた者は、都道府県労働局長に対し免許交付申請をすることで、ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許の交付を受けることが出来る[5]
第1種放射線取扱主任者免状を有し、事業者により第1種放射線取扱主任者に選任されている者、または資格取得後に放射性物質の濃度の測定の実務に3年以上従事した経験を有する者は、事業者等の証明を添付することにより、第1種・第2種作業環境測定士試験の共通科目および第1種作業環境測定士試験の選択科目「放射性物質(放射線)」の受験が免除される[6]

脚注

関連項目

外部リンク

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