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東北虎林園
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東北虎林園(とうほくこりんえん、中: 东北虎林园、英: Siberian Tiger Park)は、中華人民共和国黒竜江省ハルビン市松北区にあるアムールトラ(シベリアトラ)を主とする動物園[4][5]。松花江北岸の太陽島景勝区北側に位置し、アムールトラの飼養・繁殖、保護、科学普及、観光を一体化した施設として、国家AAAA級観光景区の一つに指定されている[6][7]。
1986年に設立された中国横道河子猫科動物飼養繁育中心の飼育拠点の一つであり、同センターが飼養する世界最大級の個体群(約1000頭)のうち、300頭余りが本園にて飼育・展示されている[3][8]。園の運営と展示形態については、動物福祉や野生動物保全の観点からの議論もある[9][8]。
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歴史
1986年、黒竜江省横道河子鎮に中国横道河子猫科動物飼養繁育中心(横道河子センター)が設立され[3][4]、各地の動物園から集められた8頭のアムールトラを基礎として飼養・繁殖・研究が開始された[4][10]。
1996年1月、横道河子センターの飼育個体を展示する拠点として、松花江北岸の太陽島景勝区近くに東北虎林園が開園した[4]。
2000年代には関連施設を含め飼育数が700頭を超え[11]、2023年にはセンター全体の個体数が1000頭近くに達し、そのうち300頭余りが同園で飼育されている[12]。
施設・展示


総面積は約144万平方メートルで、野化訓養区、成虎区、幼虎区、虎王区、育成虎区、種虎区、狮虎区(ライガー展示)、アフリカライオン区、歩行区、観虎台などのエリアから構成される[2]。幼獣を展示する幼虎園や、トラの生態や保全を紹介する科普館(科学館)などの施設も設けられている[5][6][2]。
一般的な動物園とは異なり、「来園者と動物の役割が入れ替わる」施設とされており、歩行区と観虎台を除く各エリアへは金網で囲まれた観光バスで入り、トラが野外を自由に歩き回る様子を車内から観察する[5]。夏季などには、給餌スロットが設けられた「驚険車(スリル車)」も運行される[13][6]。
飼育動物
主たる展示種はアムールトラであり[4]、ベンガルトラ(ホワイトタイガーを含む)、ライオン、ジャガーなども展示される[6][14][15]。ライオンとトラの交雑種であるライガーなどの交雑個体も飼育・展示されている[16][15]。
- 観光バス周辺に集まるアムールトラ
- ホワイトタイガー
- ライオンの飼育エリア
- ライガー
運営と保全
同園は、アムールトラの保護・飼養・繁殖・科学研究を目的とする施設として位置付けられている[4][17]。近親交配を避けるためのDNA検査にもとづく繁殖管理が行われており、野生復帰を目指した野化訓練区の整備や野外繁殖実験が進められている[4][18][10]。入場料などの収入は飼育費用や施設整備の財源となっている[4][9]。
一方で、国際的な保全団体は、こうした虎牧場での大規模繁殖は野生トラ保全に寄与していないと指摘している。主な論点として、飼育個体は人間に慣れすぎており遺伝的管理も不十分なため野生復帰に適さないこと、野生復帰に向けた実行可能な計画が存在しないこと、ライガーなど交雑種の展示は種の保存とは無関係な商業的繁殖であることなどが挙げられている[19][20][16]。
動物福祉と商業利用をめぐる議論

観光客による生体給餌や、いわゆる虎骨酒とされる酒類の販売などについて、動物福祉・野生動物保全の観点から議論がある[9][21]。
中国政府は1993年に虎骨およびその加工製品の国内取引を禁止したが、2010年代以降の報道によれば、園内売店で「虎骨酒」とされる製品が販売されている[9][22][23]。また、観光客が生きた鶏を購入してトラに投げ与える有料体験も報じられている[9][23]。これらの慣行に対しては、虎製品の流通が需要を刺激し野生トラへの密猟圧力を維持しているとの指摘や[24][25][26]、生体給餌や交雑個体の展示など飼育環境に動物福祉上の問題があるとする報告もある[16][8][21]。
ギャラリー
- 観光バス
- 金網トンネル状の観覧通路
- 歩道から肉を与える来園者
- 放飼場に面した観覧通路
- 高所通路
- 高所通路から見た放飼場と観光バス
- 生体給餌用の鶏
- 鶏を食べるアムールトラ
- 土産物を扱う売店
- 園入口付近のモニュメント
- 正面ゲート
- 「触らないでください」と書かれた注意書き
アクセス
脚注
関連項目
外部リンク
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