数学の分野における楕円型偏微分方程式(だえんがたへんびぶんほうていしき、英: elliptic partial differential equation)とは、一般的な二階の偏微分方程式

で次の条件を満たすもののことを言う:

(ここで、暗に
を意味している)。
円錐断面や二次形式を分類する際に判別式
を利用するように、二階の偏微分方程式に対しても、ある与えられた点において、同様の分類が行われる。ただし、上の例のように偏微分方程式の慣習として係数のひとつが「2B」であり、これを前提として対応する判別式は
となる(詳細については「二階の方程式(英語版)」を参照されたい)。前述の形式は、平面上の楕円の方程式

と同様のものである。この方程式は(
である場合には)

および
へと変わる。これは、標準的な楕円の方程式
に類似している。
一般的に、n 個の独立変数 x1, x2 , ..., xn が与えられた際に、二階の線型偏微分方程式は次の形で記述される:
,
ここで、L は楕円型作用素である。
例えば、三次元 (x,y,z) においては

が得られる。ここで、u が完全分離可能(英語版)(すなわち、u(x,y,z)=u(x)u(y)u(z))である場合には、

が得られる。
これは、楕円体の方程式
と対応している。
いちばん簡単な例は,

のようなポアソン方程式(
の場合はラプラス方程式)である。