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冷蔵箱

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冷蔵箱(れいぞうばこ、icebox)は、二段構造の上段にを収め、その冷気を利用して下段に収めた食品を冷蔵するための機器[1]。氷屋から購入した氷を使用するもので、電気冷蔵庫が普及するまで用いられていた製品である[1]

構造

木製で二段になっており、上部に氷を収める構造となっている[1][2]。冷熱源となる氷を氷屋から仕入れる必要があり、熱輸送の古典的な例に挙げられる[3](一般家庭で氷が作ることが可能となるのは電気冷蔵庫の導入以後である[1])。

機器の内部と外郭との断熱材として木炭フェルトなどを詰めたものを用いている[2]。また、内側にはブリキなどが張られている[2]

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A. ノルウェー製の旧式の冷蔵箱。引き出しの中に氷を入れる。
B. ビクトリア朝風の脚付き冷蔵箱。オーク材を用いて作られている。棚と扉裏が錫や亜鉛で覆われている。
C. 裕福な家庭にあった高級モデル。オーク材でできた棚、装飾的な掛け金が特徴的。氷は左上の扉に入れる。

名称

電気冷蔵庫と区別され、以下のような名称が用いられる。

歴史

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府中市郷土の森博物館常設展示室にある冷蔵箱(2010年8月31日撮影)

1803年にアメリカメリーランド州の豪農トマス・ムーアにより発明された。[要出典]

このような機器が登場する前後で食品の保管の概念は全く変化した[4]。冷凍冷蔵庫など低温環境を維持する手段が普及するまで、食品の保存は塩蔵、糖蔵、乾燥、燻製、発酵など伝統的食品保存手段が主に利用された[5]。一般的に食品の温度を下げるには井戸水や川で冷やす方法しかなく、低温による食品の貯蔵は冬に雪や氷で閉ざされる地域で氷室雪氷を使った貯蔵が行われるにすぎなかった[2]

ただし、米国でも1951年には一般家庭の約80%に電気冷蔵庫が普及した[6]。一方、同時期の日本の一般家庭には電気冷蔵庫は普及しておらず、せいぜい氷式冷蔵庫がある程度だった[6]。日本で電気冷蔵庫が普及し始めるのは昭和30年代で、木製の冷蔵箱(氷冷蔵庫)でさえ商家や料理屋などに限られていた[4]。漫画『サザエさん』では1950年代以前に描かれた作品に複数回登場するほか、昭和30年代を舞台とした映画『ALWAYS 三丁目の夕日』にも登場する。

寿司店など向けの製品(木製冷蔵庫)はなお販売されている[7]

脚注

関連項目

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