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氷III

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氷III
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氷III(こおりさん、ice III)は、高圧で生じる氷多形のひとつ。パーシー・ブリッジマンによる高圧力下での水の体積測定によって1912年に報告された[1]

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氷の相図。

氷IIIは、液体の水を250 Kまで0.25 GPaで冷却することによって結晶化させることができる。また、200 K付近で氷Ih相を加圧すると、相図によれば氷IIが結晶化するが、実験においては加圧速度が速い場合などにおいて、準安定相として氷IIIが得られることがわかっている[2][3]

結晶構造

氷IIIの結晶構造は空間群P41212をもち、正方晶の単位格子で説明される(a=6.80 Å, c=6.86 Å)[4][5]。Lobbanらの中性子回折実験に基づく構造解析によると、氷IIIはそれ自体が部分的に配向秩序化した構造をもつ。

氷IX

氷IIIは、およそ160 K以下に冷却することで、水素秩序化した氷IXへと相転移する[6][7]。氷IXの空間群は氷IIIと同じくP41212であり、ほぼ完全に水素秩序化した構造をもつ[8]。これは、2025年時点で、無秩序相と秩序相が同一の空間群を持つ唯一の例である。

脚注

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