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泡沫に神は微睡む
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『泡沫に神は微睡む』(うたかたにかみはまどろむ)は、安田のらによる日本のライトノベル。イラストはあるてらが担当[1]。カドカワBOOKSより2023年2月から刊行。小説家になろうで2021年から連載中のweb小説を加筆・修正して書籍化された作品。
このフィクションに関する記事は、ほとんどがあらすじ・登場人物のエピソードといった物語内容の紹介だけで成り立っています。 |
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あらすじ
- その身に精霊を宿した人々や生き物が住み、穢レと呼ばれる脅威が存在する世界。
- 華族の嫡男であるにも関わらず精霊を宿さずに生まれてきた少年・雨月晶は蔑まれ虐げられる日々を過ごしていたが、祖母の死を契機に生家から放逐されてしまう。故郷である國天洲から遠く離れた珠門洲に流れ着いた晶は、素性を隠し守備隊の練兵として穢レと戦い、命を擦り減らすような日々を生きていたが、ある日、珠門洲の八家の令嬢・輪堂咲と出会う。彼女を救ったことがきっかけで、珠門洲の大神柱・朱華と邂逅し、彼女から晶は神無の御坐であると告げられる。
主要な登場人物
- 晶(あきら)
- 主人公、13歳の少年。本名は雨月晶。追放後は素性を隠し晶とだけ名乗る。後に、夜劔の姓を得て夜劔晶と名乗ることになる。
- 南部珠門洲の8番守備隊に属する平民の練兵(後に、見做し防人となる)。他の練兵の少年たちとは異なり尋常中学校に通いながら呪符作成によって生計を立てている。性格は、表面上は穏やかであるが生い立ちにより基本的に他者を信用しない。
- 北部國天州の八家・雨月家の嫡男であったが生まれつき精霊を宿しておらず、当主である父親を始め陪臣とその子息からも穢レ擬きと蔑まれ続ける抑圧的な幼少期を過ごす。祖母が逝去した後、嫡男のすげ替えを目論んだ父親により野垂れ死ぬことを前提とした追放を10歳の頃に受ける。
- しかし、自分が精霊力を行使できることに気づいたこと、祖母の遺した金子と生きる術を記した手紙により生き延び、故郷から遠く離れた珠門洲に移り住み、守備隊の練兵となった。その後、輪堂咲の口利きで氏子籤祇を受けることになったが、その果てに珠門洲の大神柱・朱華と出会い、訳が分からないまま契約を交わす。その後、沓名ヶ原の百鬼夜行を経て防人としての地位を得た。
- 雨月家からは認められていなかったが、文武ともに優秀。特に陰陽術の分野では10歳で最難関の呪符である回生符を作成できるほどの才能を示す。また精霊技を数回見ただけで理解し、習得するなど特異な才を持つ。
- その正体は400年ぶりに誕生した神無の御坐。禊ぎ祓いの儀を修めたことで空の位に至っている。
- 輪堂咲(りんどう さき)
- 12歳の少女。南部珠門洲の八家である輪堂家の息女。
- 火行の上位精霊を宿し、薙刀を扱う衛士。上位華族の子女が通う天領学院に通っている。八家の令嬢であるが人当たりが良く朗らかな性格をしており、さらに家柄と容姿も良いことから天領学院ではかなりの人気がある。しかし、色恋沙汰には疎く、天領学院の生徒たちどころか晶でさえ気づいている久我諒太の想いに気づいていない。
- 久我諒太とともに訪れた8番守備隊の山狩り任務の際に晶と出会う。瘴気に対する異常な耐性や異常な界符の威力などを目の当たりにし、晶の特異性に気づく。山狩りで危ないところを助けられたことから口利きをし、晶が氏子籤祇を受けられるように手配した。
- 沓名ヶ原の百鬼夜行の後、奇鳳院嗣穂に意図的に巻き込まれる形で晶の正体を聞かされ、晶の教導の任に就くことになる。このため、本来は八家の当主と次期当主以外には秘されている神無の御坐についてもある程度説明を受けている。また、晶の側室に据えられることが奇鳳院の中では決まっている。教導についた当初は雨月家直系の生まれという素性を隠しつつ神無の御坐の自覚もほぼない晶が一線を引いていたが、共に戦い日々を過ごす中で奇鳳院の思惑通り距離が縮まっていく。
- 奇鳳院嗣穂(くほういん つぐほ)
- 12歳の少女。南部珠門洲を統治する奇鳳院家の次期当主。
- 巫であり、半神半人。天領学院に所属。非常に聡く、既に政治家・統治者として振舞っている。立場から結婚についてはドライな意見を口にするが、恋愛小説を愛読している面もあり、晶との関わりの中では年頃の少女らしい面も垣間見せる。
- 禊ぎ祓いの儀を修めた直後の晶を見つけた朱華から神無の御坐である晶のことを知らされる。朱華の証言などから晶が雨月家出身であり雨月家が神無の御坐について失伝していると推測をつける。その後、朱華の意思を尊重しつつ、國天州との争いを回避するために行動する。
- 三宮四院は擬似的な神無の御坐であるため朱華を降ろすことができ、高い戦闘能力を持つ。
- 朱華(はねず)
- 南部珠門洲の火行を司る大神柱。
- 10歳程度の幼い少女の姿をしており、基本的には通称である”あか”と呼ばれている。朱華という名を呼ぶことは神無の御坐である晶にしか許されていない。
- 神柱は姿に性格が引っ張られるため、女童の姿通りの嗜好をしているが、長い年月を存在し続けているだけはあり聡明さや様々な物事に対する機微への理解も併せ持っている。
- 珠門洲で禊ぎ祓いの儀を修めた晶を見つけ、自らの神域・万窮大伽藍に招き入れ、契約を交わし、晶の願いを叶えることを約束した。晶が玄麗の神無の御坐であること、そして晶がそのことを自覚していないことにも気づいていたが晶の裡にある玄麗の神気を封印し独占しようとする。しかし、嗣穂の言葉で、晶が空の位に到った神無の御坐であるということもあり、しぶしぶ玄麗と共有することを認めた。
- 義王院静美(ぎおういん しずみ)
- 12歳の少女。北部國天洲を統治する義王院家の現当主。
- 巫であり、半神半人。天領学院に所属。笑みを絶やさない穏やかな気性で、若くして義王院家の当主になったが温情のある為政者として認識されている。晶の元婚約者。
- 晶の追放には関わっておらず、晶との繋がりが切れたことを察知した玄麗により晶の身に何かがあったことを知った。秘密裏に側役たちを雨月の領地である五月雨領に派遣し、晶が雨月から虐げられ続け、追放された挙句、死亡したことを知らされる。その後、荒神堕ちをしかけている玄麗を宥めるためということもあり、雨月を潰すための戦支度をしていたが、玄麗の神名を分けた回生符を晶が使用したことで晶の生存を知り、他の大神柱が晶の裡の玄麗の神気を封じ、晶を隠していることを知った。そして、休み明けの天領学院で奇鳳院嗣穂から晶が嗣穂の婚約者になった報告を受けた。
- 玄麗(げんれい)
- 北部國天洲の水行を司る大神柱。
- 10歳程度の幼い少女の姿をしており、通称である”くろ”と呼ばれている。玄麗という名を呼ぶことは神無の御坐である晶にしか許されていない。
- 穏やかな気性の大神柱。高天原の五柱の大神柱の中で、唯一、神無の御坐を得たことがない。晶が幼い頃から、静美とともに晶と会っており三人で遊んでいたりしていた。玄麗にとっては初めての神無の御坐である晶を非常に大事にしており、幼い晶が回生符を修めたことを慶び玄生の雅号を与えた。ただし、晶はこの時点で玄麗が大神柱であることすら知らず、静美の側役の年上の少女だと思っていた。
- 朱華が晶の中の玄麗の神気を封じたことで、晶が死亡したと勘違いする。静美によって宥められるが、後日、調査の結果、雨月から追放され死亡したと伝えられ、悲嘆に暮れながら怒りとともに雨月を潰す意思を示す。高天原の水行を司る大神柱であるため、荒神堕ちしかかった結果、水脈に影響を及ぼしてしまう。
- 晶が玄麗の神名を分けた回生符を使用したことで晶の生存を確信し、雨月討伐を中止させ晶探索を静美に命じた。
- 同行そのみ(どうぎょう そのみ)
- 13歳の少女。北部國天州の八家である同行家の息女。そして、義王院静美の側役。
- 水行の上位精霊を宿し、天領学院に所属している。晶が雨月の嫡男のまま静美の伴侶になっていれば、側室になることが決まっていた。
- 玄麗が晶の中の神気の消失を察知した後、静美の指示で五月雨領に潜入し、雨月陪臣から晶の顛末を聞き出し静美に報告した。その後、天領学院に一時的に転校してきた晶とそうとは知らず緑角館で言葉を交わし好感を抱くが、直後に咲と晶の会話を聞き、晶であることに気づく。
國天州の関係者
- 雨月天山(うげつ てんざん)
- 北部國天洲の八家である雨月家の現当主。晶と颯馬の実父。
- 水行の上位精霊を宿している。三宮四院と同じく長い歴史を持つ八家第一位・雨月家の当主であることに誇りを持っており、主家である義王院への忠義も篤く、義王院からも信頼されていた。また、歴代当主の中では凡庸と自ら認めており、不世出の天才である颯馬が自分の息子であることに誇りを抱いている。
- 年齢からすれば明らかに優秀である晶を精霊なしであることを根拠にその能力を決して認めず、無能の穢レ擬きと罵り、陪臣たちによる暴力も咎めることがなかった。晶が生まれた際に義王院の次期当主との婚約を結んだが、天山に神無の御坐の知識はないため、義王院の意図が分からず、晶は相応しくないとして颯馬を嫡男にして義王院の伴侶にしようと画策する。そして、晶を守っていた自分の実母である房江の死後、幼い晶を金子も持たせずに放逐し、間接的に殺害しようとした。
- 雨月房江(うげつ ふさえ)
- 北部國天洲の八家である雨月家の前刀自。晶と颯馬の父方の祖母。
- 晶の親族の中で唯一、晶の味方であり、逝去するまで晶を守り続け、自分の死後に放逐されることも予測していたため金子や生きる術を記した手紙を遺した。
- 房江の上位精霊である芙蓉御前は禊ぎ祓いの儀の最後に晶の前に姿を現す。
- 書籍版では珠門洲の華族・夜劔家の出身であり、希少な神霊遣いだったことが明かされる。
- 雨月颯馬(うげつ そうま)
- 12歳の少年。北部國天洲の八家である雨月家の子息。晶の実弟。
- 水行。上位精霊の中でも非常に希少で強力な神霊を宿す神霊遣い。天領学院に所属している。文武両道、眉目秀麗、玲瓏闊達で人当たりのいい性格をしており、政治家としての高い資質も持ち合わせている。家柄も八家第一位の雨月家であり、学院の女生徒から絶大な人気を誇る。"北辺と至宝"と謳われ、既に当主の天山より神器・布津之淡を与えられている。
- 兄である晶の存在を知っているが言葉を交わしたことはほぼなく、晶に対しては両親と同じく家族としての情は持ち合わせておらず、晶の死が報告された際も周りと同じように喜んだ。無能な穢レ擬きという天山の言葉を信じている。
- 天領学院では一時的に転校してきた晶と校内で何度かすれ違うが、晶が全力で隠形をかけて避けていることもあり、最後まで気づかなかった。しかし、央州の百鬼夜行への対応の最中、ついに晶の姿を目撃してしまう。
- 不破直利(ふわ なおとし)
- 北部國天洲の八家である雨月家の陪臣。晶と颯馬の符術の師。
- 木行の上位精霊を宿している。優男然としており、優しげな物腰の青年。東部壁樹州の八家である不破家の次男であるが、雨月に婿入りして陪臣の一人となっている。妻は現当主・天山の従姉妹。
- 晶の符術の教導を担当し、回生符を修めさせた。陪臣の中では唯一晶に気をかけており、晶が放逐される際も助言とともに見送った。晶死亡の知らせを受け取った際は喜びで沸く雨月内でただ一人、晶の死を悼んだ。
- 兄の不破範頼との会話で神無の御坐のことを知り、晶の正体に気づく。
珠門洲の関係者
- 阿僧祇厳次(あそうぎ げんじ)
- 南部珠門洲の8番守備隊の隊長。奇鳳院流の師範代でもあり、練兵の頃から晶を指導している奇鳳院流の師。
- 八家の出身ではないが、珠門洲でも指折りの実力者。高天原最強と謳われる弓削孤城とも親交がある。輪堂家とも親交があり、幼い頃の咲と面識がある。また、人情派で民からも人気が高い。
- 晶が神無の御坐であることは知らないが、沓名ヶ原の百鬼夜行後、奇鳳院家の後押しで見做し防人となった晶に精霊技を教え込む。
- 久我諒太(くが りょうた)
- 12歳の少年。南部珠門洲の八家である久我家の嫡男。
- 珠門洲の生まれだが土行の上位精霊を宿し、月宮流を扱う衛士。天領学院に所属。文武ともに秀でており、久我の神童の異名を持つが性格は難あり。咲に好意を寄せているが無頼で自分勝手気味な性格から咲には苦手に思われている。
- 師は晶や颯馬の母方の祖父である中央華族の御厨至心。また側室として壁樹州の上位華族である帯刀埜乃香と婚約している。
- 8番守備隊の山狩りで晶と初めて出会うが、咲が気さくに話しかけることに嫉妬し、刺々しい態度をとった。
- 鴨津では当主である父の思惑もあり、咲を側室筆頭にするという婚約話を無理矢理に進めようとするも咲には拒絶される。ベネデッタたちとの戦闘を経て、最終的に咲の気持ちが自分に向くことはないと気づく。また、父親の久我法理が晶の正体に気づいたことで、諒太もまた晶が神無の御坐であることを知ることになった。
- 久我法理(くが ほうり)
- 南部珠門洲の八家である久我家の現当主。諒太の実父。
- 輪堂孝三郎と対照的に、嗣穂からすと危機感を覚えるほどに功名心が強い。そのため、神無の御坐について奇鳳院から情報を開示されなかった。
- 咲を諒太の妻にと見込んでおり、強引な手段をとる。
- 輪堂孝三郎(りんどう こうざぶろう)
- 南部珠門洲の八家である輪堂家の現当主。咲の実父。
- 久我法理と対照的に、嗣穂からすると呆れるほど功名心が低い。
- その性格から臆病者、日和見主義などと陰口を叩かれているが、武家華族の当主としての実力は確か。華族の中でも特に家族仲が良い。
- 咲経由で奇鳳院から晶のことを聞き奇鳳院との協議の後、後見に立つ。晶と対面することを避けていたが、晶が他州出身であることを知らない者が孝三郎の隠し子であると邪推し、夫婦仲に影響が出始めている。
壁樹州の関係者
- 玻璃院誉(はりいん ほまれ)
- 天領学院の最終学年の少女。壁樹州を統治する玻璃院家の現当主の妹。
- 巫であり、半神半人。天領学院に在籍。一般的な女性よりも短い髪をしており、少年めいた口調で喋る。型破りな印象が強い少女であるが、非常に優秀で学院では歴代上位の成績を修めている。同じく歴代上位の成績者である雨月颯馬に気安く接しており、その性格と能力から姉からも理解できない謎に広い人脈を持っている。
- 青蘭(せいらん)
- 東部壁樹州の木行を司る大神柱。
- 17歳程度の少女の姿をしており、基本的には通称である”あお”と呼ばれている。
- 粗忽でやや騒がしい言動が多く、また朱華と玄麗に対して姉気取りな言動をすることが多い。
- 穏やかに見えるが、二度も荒神堕ちをした過去があり、400年前に不破家に生まれた神無の御坐を巡る騒動では龍脈越しに神器の神域特性を撃ち込んだこともある。
伯道州の関係者
- 陣楼院神楽(じんろういん かぐら)
- 10歳程度の幼い少女。西部伯道州を統治する陣楼院家の次期当主。高天原最強と謳われる弓削孤城の娘でもある。
- 央州防衛のために央州を訪れ、その際に、月白の指示で晶を兄と呼んで慕う。
- 月白(つきしろ)
- 西部伯道洲の金行を司る大神柱。
- 17歳程度の少女の姿をしており、基本的には通称である”しろ”と呼ばれている。
- 目を閉じており、優しげな印象をしているが一筋縄ではいかない神柱であり、易占を好む。
央州の関係者
- 御厨至心(みくりや ししん)
- 央州の旧家である御厨家の前当主。晶と颯馬の母方の祖父。
- もとは要職に就いていたが権力闘争に敗れ、御厨家は落ち目になったため家督を息子に譲ったが未だに返り咲くことを諦めていない。同じく土行である久我諒太を教導している。
- 旧家としてのプライドが高く、八家すら見下す発言をする。
- 久我の屋敷で晶と会っているが、自分の孫であることに気づいていない。
- 高御座(たかみくら)
- 央州の土行を司る大神柱。高御座は通称。また他の四柱の大神柱からは"ははさま"と呼ばれる。
- 16歳程度の少女の姿をしている。
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用語
要約
視点
- 精霊
すべての生き物に宿るもの。 下位、中位、上位に分類される。 また、神霊は上位精霊に分類されるが、両者には大きな差がある。
- 神柱
神。精霊が昇華して神柱に至ったものと神代から存在している大神柱がおり、高天原には大神柱が五柱のみ存在する。大神柱以外の神柱は土地神など高天原では各地に存在する。また、基本的には自らの神域から出ることができない。 ただし、顕神降ろしなどで顕れることは可能。また、龍穴から放逐された神柱も存在する。
- 精霊技
精霊力もしくは神気により放つ技のこと。 自分の身体に作用させる内功と体外に放つ外功の二種類が存在し、宿っている精霊がどの五行に属しているかによって使用する流派が異なる。水行は義王院流、火行は奇鳳流、木行は玻璃院流、金行は陣楼院流、そして土行は月宮流ですべての流派の源流にあたる。土行の精霊は他行を模倣できるため、月宮流もある程度、他行を模倣した技が存在する。 また、各流派に精霊技の初伝、中伝、奥伝が存在する。
- 精霊器
外功の精霊技を使用するための武具。霊鋼を使用して作られる。 華族であることを証明するものであり、紛失した場合、平民落ちすることになる。
- 神器
精霊器の一種であるが、本質的には異なるものであり、それぞれの神柱がその象をもとに鍛造した武具。不壊であり強大な権能を有する。また神殺しの権能を有する神器も存在するが、大神柱を殺した場合、その大神柱が司る象にも影響が出る可能性がある。
- 神無の御坐
正者の奇跡。杭の打ち手。西方では恩寵の御子と呼ばれる。精霊と神柱に愛され、ただ人でありながら精霊を宿さずとも現世に存在できるほど強靭な器を持った稀有な存在。願うだけで周囲の精霊から力を借りることができる上、神柱と契約した場合は強い加護を得ることができ、その莫大な神気を無制限に扱うことが許される。 また、神柱は神無の御坐のことを無視することができず、半神半人の三宮四宮もまた同じく惹かれてしまう。
- 高天原
極東の島国。中央部央州に土行、西部伯道洲に金行、北部國天州に水行、東部壁樹州に木行、南部珠門洲に火行、それぞれ大神柱が支配している国であり、各州を半神半人の三宮四院が統治している。
- 三宮四院
半神半人の末裔。女系。 言霊により他者の言動を拘束する力を持つ一方で神柱と同じく嘘を吐くことができない。 神子である月宮、雅樂宮、藤森宮が三宮。巫である陣楼院、義王院、玻璃院、奇鳳院が四院。三宮が央州の政を担い、四院が東西南北それぞれの州の政を担っている。
- 八家
央州を除く、各州に二家ずつ存在する最上位の武家華族。同じ上位精霊の分類の精霊でも、八家の者のほうが強力。 大神柱から一つ神器を下賜されており、十干の大法によって必ず八家から神無の御坐が生まれてくるようになっている。 ただし、入れ替わりはあり、時代によって八家の顔ぶれが変わる。 八家第一位の雨月家は三宮四院並の長い歴史を持っており、4千年間八家から脱落しなかったことを示している。
- 旧家
央州の華族であり、御厨家や石蕗家がこれにあたる。 土行の精霊を宿す血統の華族であるが、御厨家や石蕗家のような旧家の中でも権力闘争をしてきたような家は特に旧家としての誇りが高すぎる傾向にある。
脚注
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