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異分析
誤解に基づいて、ある語に本来の語源・語構成と異なる解釈を行うこと ウィキペディアから
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異分析(いぶんせき)は、誤解に基づいて、ある語に本来の語源・語構成と異なる解釈を行うことをいう。「異分析」(英語: metanalysis < meta- + analysis)という用語はオットー・イェスペルセンが考案したものだが、元々は文の構造を別の構造として解釈することを含んでいた。現在はこれは再分析あるいは再解釈と呼ばれ、異分析には含めない。
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民間語源は異分析に基づくものが多い。例えば、「あかぎれ」は「赤切れ」と思われているが、元の「あかがり」の「あ」は「足」の意味で「かがり(かかり)」は「ひびが切れる」という意味の「かかる(皸る)」。「あ+かぎれ」が「あか+ぎれ」とされるようになった。
日本語
他言語
以下の例はいずれも異分析が語形の変化に影響したケースである。
- ロマンス諸語において、ラテン語語頭の l が俗ラテン語で定冠詞の l' と誤解され、後に不定冠詞の un の n が語頭に付く言葉がある[1]。
- a napron > an apron 「エプロン」- 語頭の n- が不定冠詞に奪われたもの。
- an eke name > a nickname 「ニックネーム」 - 上とは逆の例で、不定冠詞末尾の -n が死語になりつつあった eke 「さらなる」とあわせて *nick なる形態素として理解されたもの。
- asparagus > sparrow grass 「アスパラガス」 - 後者は今も使われる俗称。
- hamburgerは「ハンバーグ」(地名のハンブルクHamburgから)に-erがついたものだった。これがham+burgerと異分析されるようになって、cheese burgerなど複合語ができ、日本語でも「お月見バーガー」(目玉焼きを挟んだもの)などが生まれた。
- 古フランス語 crevice > crayfish 「ザリガニ」 - 後半 -vice の語形がたまたま fish に似ていたことが異分析のきっかけになったもの。
- 「イスカンダル」 - 「アレクサンドロス大王」のAliskandar であったが、語頭のal-が定冠詞と勘違いされ、Iskandar と呼ばれるようになった。
語形の変化ではないが、ドイツ語で行為者を表す接尾辞 -ler (例:Kunst - Künstler)は Sattel - Sattler、Ziegel - Ziegler などの異分析によって生じたものである[2]。
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脚注
関連項目
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