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発電
電気を発生させること ウィキペディアから
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発電(はつでん、英: electricity generation)とは、運動エネルギーなどを利用して、電気を発生させることをいう[1]。

概説
発電とは、電力以外のエネルギーを電力へ変換することである。発電の種類としては、例えば、水力発電、風力発電、太陽光発電、地熱発電、火力発電、原子力発電などがある。
原理としては、機械エネルギー[2](運動エネルギー)を電磁誘導を用いて電力に変換するもの(発電機)だけでなく、化学変化のエネルギーを利用したもの(電池)、光起電力効果によるもの(太陽電池によるもの)、ゼーベック効果によるもの(熱電素子によるもの)、圧電素子によるもの、モノとモノをこすることによって生じる静電気を利用するものなどがある。
発電は、発電所で行われているだけでなく、家庭や企業などでもしばしば行われる(自家発電)[注釈 1]。また、夜間に前照灯をつけて自転車で走る時は、乾電池式や充電式でなければ、人がペダルを踏む力でダイナモを動かして発電し、電球を点灯することも過去には多く、また、オートバイや自動車で走行する時は、オルタネーターで発電し、電装品等を働かせるために使用している。最近実用化されはじめた燃料電池車では燃料電池で発電し、電動機を動かし走る。
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発電の種類
要約
視点
※ 構想・実験・研究段階であり、実用化に至っていないものもある。
発電機による発電
発電機は電磁誘導によって運動エネルギーを電力に変換する装置である。具体的にはコイルに対して磁石を回転させることで電気を発生させる。動力を何から得るかによって以下のように様々な種類がある。
- 火力発電:燃料の持つ化学エネルギーを燃焼により熱に変換し、さらに運動エネルギーに変換する発電。熱を得る方法、熱から運動を得る方法によりさらに細分される。
- 原子力発電:核反応により熱エネルギーを得る発電。運動エネルギーへの変換は、通常は蒸気タービンを用いる。
- 核融合発電:原子核の融合によってエネルギーを得る発電。
- 水力発電:水の位置エネルギー及び運動エネルギーによる発電。
- 地熱発電:地熱により熱エネルギーを得る発電。
- 太陽熱発電:太陽光の熱エネルギーによる発電。太陽光を直接電気に変える太陽光発電とは別。
- 風力発電:風の運動エネルギーによる発電。
- 波力発電:波の運動エネルギーによる発電。
- 海流発電:海流の運動エネルギーによる発電。潮流発電ともいう。
- 潮力発電:潮の干満の運動エネルギーによる発電。潮汐発電ともいう。
- 炉頂圧発電:高炉の高圧ガスでタービンを回す発電。
- 冷熱発電:液化天然ガス (LNG) の冷熱を利用し、中間熱媒体を液化、循環させる方法と、気化した高圧ガスで直接タービンを動かす方法がある。主に LNG の受け入れ基地などで用いられる。
- 海洋温度差発電:海面の温水と深海の冷水の温度差を利用してタービンを回す発電。
- 人力発電:人間を動力源とする発電。燃料や電池の補給が難しい局面で重宝される。
運動以外のエネルギーを電力に変換する発電
運動以外のエネルギーを電力に変換する発電には以下のようなものがある。
- 燃料電池発電:化学エネルギーを電力に変換する発電。固体高分子形では触媒用の白金が非常に高価である一方、耐用年数が7 - 8年程度と寿命は短い。
- 太陽光発電:太陽光を利用して、太陽電池で電力を得る発電。自然エネルギーなので燃料を購入する必要がない。
- 宇宙太陽光発電:宇宙空間で太陽光発電を行い、それによって得た電力を地上に送る。現在多くの課題について討論中。
- MHD発電:ファラデーの法則に基づきプラズマなどを用いて発電する。
- 熱電発電:温泉水と河川水などの温度差を利用して熱電変換素子により発電する。
- ラジオアイソトープ発電:熱源に放射性同位体を使用。
- 振動発電:圧電素子と振動板を組み合わせることにより、音や振動のエネルギーを電気エネルギーに変換する発電。
- 爆薬発電:爆薬の爆発を電気エネルギーに変換する発電。実験用もしくは軍事用。
- 熱光起電力発電
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発電の原理
要約
視点
電磁誘導
発電機は前述のように電磁誘導により電力を生む。電磁誘導による発電は、磁力線を導体が横切ることによって起こる現象であり、得られる出力は以下のように表される。
e は起電力 (V)、v は速度 (m/s)、B は磁束密度 (Wb/m2)、l は横切る導体の長さ (m)、θ は磁力線からの偏角 (rad) である。これは、磁力線を長さ l の導体が速度 v で横切ったときに導体に発生する起電力を求める式である。この式から、電磁誘導によって大きな起電力 e を得るためには、
- 磁界を強くする
- 速度を上げる
- 磁力面積を拡大する
ことが必要であるとわかる。
電気化学反応
電池のうち「化学電池」と呼ばれる種類の電池は電気化学反応により電力を生む。電気化学反応は、2 種以上の活物質の接触によって生じるもので、反応で生じた電極間の電圧を出力として取り出す。この出力は、単純には以下の式のように表される。
e は起電力 (V)、ΔG は反応におけるギブズエネルギー変化、n は反応電子の価数、F はファラデー定数 (C/mol) である。これは、反応に関与する活物質の活量がすべて 1 で平衡状態にあるときの標準電極電位である。
光起電力効果
太陽光発電所は、ソーラーパーク、ソーラーファーム、太陽光発電所とも呼ばれ、商用電力を発電するために設計された大規模な系統連系太陽光発電システム(PVシステム)である[3][4]。ほとんどの地上設置型やその他の分散型太陽光発電所とは異なり、地元のユーザーや利用者のためではなく、電力会社レベルで発電する。公益事業規模の太陽光発電所」という用語は、この種のプロジェクトを表すのに使われることもある。
このアプローチは、集光型太陽光発電(熱を利用してさまざまな従来の発電システムに電力を供給する、もうひとつの主要な太陽光発電技術)とは異なる[5][6]。どちらのアプローチにも長所と短所があるが、現在に至るまで、太陽光発電技術の方がはるかに普及しているのは、次のような理由がある。2019年現在、電力会社規模の太陽光発電容量の約97%が太陽光発電設備によるものである[7]。
太陽光発電パネルで充電するポータブル電源がある[8]。
既存の大規模太陽光発電所のほとんどは独立系発電事業者が所有・運営しているが、地域社会や電力会社が所有するプロジェクトの割合も増えている[9]。しかし、2010年代に入り、単価が大幅に下落し、ほとんどの市場でグリッドパリティが達成されたため、外部からのインセンティブは一般的に不要となった[10]。
電池のうち「物理電池」、その中でも「光電池(太陽電池)」と呼ばれる種類の電池は光起電力効果により電力を生む。
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ゼーベック効果
電池のうち「物理電池」、その中でも「熱電池」と呼ばれる種類の電池はゼーベック効果により電力を生む。ゼーベック効果は、2種以上の物体の接触点の温度差によって生じるもので、反応によって生じた電極間の電圧を出力として取り出す。2 種の物体を用いた場合のこの出力は、単純には以下の式のように表される。
e は起電力 (V)、S A と S B はそれぞれ物体 A, B のゼーベック係数、T 1 と T 2 は 2 つの接点の温度 (K) である。
その他
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各国の電源構成
要約
視点
→「エネルギーの比較」も参照
電源構成とは発電に用いるエネルギー源や発電方法の組み合わせのことである。エネルギーミックスともいう[11]。2015年の全世界の総発電量は24,255TWhであった。これは地球が太陽から 1 年間に受けるエネルギー 1,525,284,000TWh の 0.001 % に相当する。電力源の内訳の66.3%は化石燃料、23.1%は再生可能エネルギー、10.6% は原子力による。化石燃料の大半は石炭と天然ガスであり、石油による発電量は総発電量の4.1%である。再生可能エネルギーは水力が16.0%あり大半を占める。水力以外の再生可能エネルギーは全体の7.1%であり石油を超えている。しかし資源量全体では風力よりも太陽光、太陽熱の方が遥かに大きい(「再生可能エネルギー」項目参照)。また太陽光発電による発電量は総発電量の1%であった。数値はIEA/OECDより[12] これらの燃料の中には電力以外に熱源、動力源として消費されるものもあるがここでは電力源のみを考慮している。


全世界で2015年に火力、原子力、水力、コージェネレーション・プラント、その他の発電所で消費された総エネルギーは石油換算トンで1,737Mtoe。これは全世界の一次エネルギー供給量(TPES)13,647Mtoeの12.7%であった。 生産された電力はグロスで 1,735,579 ktoe 相当の電力 (20,185 TWh) であった。発電効率は 39 %。残りの 61 % の一部 ( 3 %) はコージェネレーションの熱源として利用されたが大半は排出された。また 289,681 ktoe 相当の電力(発電量の 17 %)は発電所での内部消費と送電ロスで消費され、最終的に消費者へは 1,446,285 ktoe 相当の電力 (16,430TWh) が供給された。これは発電およびコージェネレーションに投入されたエネルギーの 33 % であった。Key World Energy Statistics 2017 - IEA
2008年の主要国の電源構成
以下の表にリストした 30 ヶ国は人口がトップ 20 位か、国内総生産 (GDP) が 20 位以内の国と、参考にサウジアラビアを含めた。CIA World Factbook 2009より
これら 30 ヶ国の合計は対全世界比、人口で 77 %、GDP で 84 %、消費電力で 83 % であり、各指標の 30 ヶ国の平均値は全世界の平均値と近似している。
2020年の主要国の電源構成
以下の表にリストした 30 ヶ国は人口がトップ 20 位か、国内総生産 (GDP) が 20 位以内の国と、参考にサウジアラビアを含めた[13][14]。CIA World Factbook の値より算出
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発電する生物
生物の中には、発電器官を有する種が存在し、他の生物に対する攻撃、物体の探知、コミュニケーション等に電気を利用している。そういった能力を持つ種の殆どは魚類である[15]。
→「電気魚」も参照
- 弱発電魚
- 5V前後の電圧を生む発電魚。
- エレファントノーズフィッシュ
- ジムナーカス
- ガンギエイ
- ナイフフィッシュ
- カラポ
- アイゲンマニア
- ブラックゴースト[16]
- 発電菌
脚注
関連項目
外部リンク
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