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ガルバニック皮膚反応

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ガルヴァニック皮膚反応(ガルヴァニックひふはんのう:Galvanic Skin Response (GSR))とは、 電気皮膚活動(でんきひふかつどう:Electrodermal activity (EDA))として認識されているもののうちの一つ。EDAとは、皮膚の電気的特性が連続的に変化する人体の特性を表す。

EDAは歴史的に、ガルバニック皮膚反応 (galvanic skin response (GSR))、電気皮膚反応(electrodermal response (EDR)), 精神電流反射(psychogalvanic reflex (PGR)), 皮膚コンダクタンス反応(skin conductance response (SCR)), 交感神経皮膚反応(sympathetic skin response (SSR))、皮膚コンダクタンス水準(skin conductance level (SCL))として知られて来た。

さまざまな分野における自発的及び受動的な皮膚の電気的性質の研究はその長い歴史ゆえに多くの呼称をもたらす結果となった。現在は電気皮膚活動(EDA)という呼称で標準化されている[1][2][3]

EDAの伝統的な理論は皮膚の汗腺の状態で皮膚抵抗が変化することに基づく。汗は交感神経系によってコントロールされているため[4]、皮膚コンダクタンスは心理的または身体的興奮の兆候だというものだ。 もし自律神経系の交感神経側が興奮した場合、汗腺の活動は活発化され、皮膚コンダクタンスの上昇につながる。このように、皮膚コンダクタンスは感情的または交感神経系の反応の指標になりうる[5]。 より最近の研究と更なる現象(抵抗、電位、インピーダンス、電気化学皮膚コンダクタンス、アドミタンス、反応として現れる場合もあれば、自発的な場合もある)はEDAは見かけより複雑であることを示唆しており、その源と重要性についての研究が続いている。

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歴史

1849年、ドイツの Dubois-Reymondによる実験が、人間の皮膚の電気的な活性についての初めての記録と考えられている。この実験ではEDAの観察結果は筋肉の活動に由来すると考えられた[6] 。 1878年にはスイスで、HermannとLuchsingerがEDAと汗腺との関係を実証した[7]

EDAを精神活動に関連付けた最初の研究者はフランスのVigourouxで、1879年に精神的苦痛を受けている患者の研究の一環としての試みだった。 1888 年には、フランスの神経学者フェレは、皮膚の抵抗活動が感情的な刺激によって変化する可能性があり、その活動が薬物によって抑制される可能性があることを実証した[7]

さらに1889年ロシアでは、Ivane Tarkhnishviliが、外部刺激がない皮膚電位の変化を観察し、変化をリアルタイムで観察するための計測器を開発した[8] [9]

このような経過を経て、1900年代初頭にはEDAを明確な対象とした科学的研究が始まった。 精神分析におけるEDA機器の使用に関する最初の文献の1つは、ユングによる「単語分析の研究」(1906年)だ[10] [11] 。 ユングと彼の同僚は、EDA計測器を使用して、単語連想中の単語のリストに対する患者の感情的な感受性を評価した[12] [13]。 ユングはEDAの観測結果と精神状態との関連付けに強い関心を示したことが伝わっている[14] [15]

オーストリアの精神分析学者ヴィルヘルム・ライヒも、1935年と1936年にオスロ大学の心理学研究所で行った実験でEDAを計測した[16]

1972年までに、皮膚電気活動に関する1500以上の記事が専門誌に掲載され、今日ではEDAは人間の心理生理学的現象を調査するための最も一般的な方法と見なされている[17]。 2013年の時点で、EDAモニタリングの臨床応用は依然として増加している[18]

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応用

EDAは自律神経系の活動の一般的な尺度であり、心理学研究で長く使用されてきた[19]

ブライトン・アンド・サセックスメディカルスクールの精神科長であるHugo D. Critchleyは「ユーザーが不安をコントロールするのを助けることを目的とした、ユーザーのストレス反応の指標」として利用できると述べている[20] [21]

EDAは、脳波ベースのモニタリングに比較して安価で、被験者の負担が小さい方法として、個人の神経学的状態や心理的ストレスを評価するために使用される[22][23]

EDA測定機は、嘘発見器として使用されるポリグラフデバイスを構成する1要素でもある[24]

サイエントロジー教会が「監査」と「セキュリティ チェック」の実践の一環として使用するEメーターは、実は特注のEDA測定装置だ[25]

またEDAは、未熟児の疼痛評価の方法としても研究されている[26]

このようなさまざまな応用の中で、多くの場合EDAは他の自律神経に依存する変数である心拍数、呼吸数、血圧との組み合わせでモニタされる。


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参考文献

  • Conesa J (1995). “Electrodermal palmar asymmetry and nostril dominance”. Perceptual and Motor Skills 80 (1): 211–216. doi:10.2466/pms.1995.80.1.211. PMID 7624194.
  • Carlson, Neil (2013). Physiology of Behavior. New Jersey: Pearson Education, Inc. ISBN 978-0-205-23939-9.
  • Figner, B., & Murphy, R. O. (2010). Using skin conductance in judgment and decision making research. A Handbook of Process Tracing Methods for Decision Research: A Critical Review and User's Guide, 163–84.
  • Pflanzer, Richard. "Galvanic Skin Response and the Polygraph". BIOPAC Systems, Inc. Retrieved 5 May 2013.
  • Nagai, Y.; Goldstein, L. H.; Fenwick, P. B. C.; Trimble, M. R. (2004). “Clinical efficacy of galvanic skin response biofeedback training in reducing seizures in adult epilepsy: A preliminary randomized controlled study”. Epilepsy & Behavior 5 (2): 216–223. doi:10.1016/j.yebeh.2003.12.003. PMID 15123023.

付記

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