特殊相対性理論によれば、運動する物体のエネルギーは次の式で表される。

ここで、
はエネルギー、
は質量、
は運動量、
は光速である。また、運動量
と速度
の関係は次の式で表される。

これらから、エネルギーと速度の関係は次の様になる。
…(式1)
この式をテイラー展開すると次の様になる。

この式は、速度
が光速に対して十分小さい (
) 場合は、次のようになる。

は最初に述べた静止エネルギーであるので、結局式は次のようになる。

つまり、速度が小さい場合は、質量
の物体が速度
で動いている場合の運動エネルギーが
になるというニュートン力学と同じ結論になる。
なお、式1を導出するのに、
の
に相対論的質量

を代入するという説明がなされることがあるが、正しい説明とは言えない。まず、相対論的質量という概念自体にあまり意味がない(相対論的質量を参照)。そして、
という式は、静止エネルギーと質量の関係を表している式であるから、相対論的質量という質量とは異なるものを代入して、運動している物体のエネルギーが得られるかどうかは定かではない。