硫化水素カリウム

硫化水素カリウム（りゅうかすいそカリウム、別名水硫化カリウム英: Potassium hydrosulfide）は化学式KHSで表される無機化合物。陽イオンであるカリウムイオンK⁺と陰イオンである硫化水素イオンSH⁻で構成され、過剰の硫化水素と水酸化カリウムとの反応により合成される^[2]。有機硫黄化合物の合成などに用いられる^[3]。

${\displaystyle {\ce {KOH\ + H2S -> KSH\ + H2O}}}$

硫化水素カリウム
IUPAC名 硫化水素カリウム
別称 水硫化カリウム
識別情報
CAS登録番号	1310-61-8?
ECHA InfoCard	100.013.803
PubChem CID	102109
CompTox Dashboard (EPA)	DTXSID6061654
特性
化学式	KSH
モル質量	72.171 g/mol
外観	白色の固体
密度	1.68–1.70 g/cm3
融点	455 ℃
水への溶解度	可溶
構造
結晶構造	斜方晶系
熱化学
標準生成熱 ΔfHo	−265.10 kJ mol−1[1]
標準定圧モル比熱, Cpo	75.31 J mol−1K−1
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性	可燃性、悪臭、硫化水素の放出
NFPA 704（ファイア・ダイアモンド）	3 2 0
関連する物質
その他の 陰イオン	水酸化カリウム
その他の 陽イオン	硫化水素ナトリウム
関連物質	硫化ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アルカリ金属と硫化水素イオンにより構成される化合物は、硫化水素イオンの非対称性により複雑な構造を示すが、高温では塩化ナトリウム型構造と類似の構造となる^[4]。

水溶液は加水分解によりアルカリ性を示し、硫黄を溶解してポリ硫化物を生成する。

${\displaystyle {\ce {2KSH\ +{\mathit {n}}\ S->{K2S_{{\mathit {n}}{+}1}}+H2S}}}$