トップQs
タイムライン
チャット
視点
自動投球判定システム
ウィキペディアから
Remove ads
自動投球判定システム(じどうとうきゅうはんていシステム、英: Automated Ball-Strike System、ABS、もしくはロボット審判)は、野球における投球のストライク・ボールの判定を、人間の判断を挟まないで自動化するシステムである[1]。
この項目は著作権侵害が指摘され、現在審議中です。 審議の結果、該当する投稿以降の全ての版またはこのページ全体(すべての版)が削除される可能性があります。問題箇所の適切な差し戻しが行われていれば、削除の範囲は問題版から差し戻し直前の版までとなる可能性もあります。適切な差し戻しが行われていないと考えられる場合は、この版の編集や引用はしないでください。著作権上問題のない自分の投稿内容が削除される可能性のある方は、早めに控えを取っておいてください(詳しくはこちらの解説をお読みください)。 該当する投稿をされた方へ: ウィキペディアでは、著作権上問題のない投稿のみを受け付けることになっています。他人の著作物を使うときをお読み頂いた上で、審議にご協力をお願いします。自分の著作物を投稿されていた場合は削除依頼を出されたらをご覧ください。 審議が終わるまで、このお知らせを除去しないでください。 (以下、著作権侵害の可能性がある箇所を取り除いた内容を暫定的に表示します。) |

Remove ads
概要
米メジャーリーグベースボール(MLB)では2026年のシーズンから、球審の判定に異議がある場合に限り、チャレンジ方式で数回だけABSを利用できることが決まっている[2]。一方、韓国のKBOリーグでは2024年シーズンから、すべての投球判定をロボット審判が行い、球審はその判定をコールするだけの仕組みが導入された[3]。従来の球審はストライクゾーンの判定に微妙な個人差があるほか、投手に有利な判定が行われる傾向があった[2][4]。これまで球審は判定に強力な権威を設定されてきて、球審の判定が覆されることは無かった。これに対してABSは、より一貫した判定を期待されて一部で導入されている[4]。
仕組み
ここでは、メジャーリーグで採用されたABSの仕組みについて述べる。
投手の投げた球は、まずホークアイというシステムで追跡される。球場に設置された12台のカメラが、球を撮影して毎秒330フレームでキャプチャする[5]。ホークアイによって処理された情報はチャレンジがあると、低遅延のT-モバイル・5G通信によって配信され、ほとんど即座に判定結果が表示される[2]。
ABSのストライクゾーンは、ベースの上に設定された二次元の長方形であると設定されている。正確には、ベースを前後から見たとき、真ん中に引いた線の上にある長方形である。長方形の高さは、打者の身長の、27%から53.5%であると定義されている[2][6]。身長は公式試合が始まる前、スプリングトレーニングで独立した検査官が測定する[6]。
2026年のメジャーリーグにおいて、普段のストライク・ボールの判定は人間の球審が行う。ABSは球審の判定に異議がある際だけ利用を申請できる、チャレンジ制である。チャレンジを行えるのは、打者・投手・捕手の三者だけで、そこに例外は無い。また、他の者が打者らにサインを送ってチャレンジを指示することもできない。チャレンジする際は、キャップまたはヘルメットを軽く叩くしぐさを取る[2]。
チャレンジ権は試合で各チームに2回、与えられる。また、延長10回でも1回のチャレンジ権が追加される。チャレンジで異議が認められれば、判定を塗り替えることができるし、チャレンジ権も保持したままになる。異議を申し立てた球審の判定が、ABSによる判定でも覆らなければ、チャレンジ権は1回失われる。統計として、2025年のテストでは一試合平均して4.1回のチャレンジがあり、成功率は52.2%、かかった時間は1回当たり平均して13.8秒であった[2]。
Remove ads
歴史
要約
視点
ABSが登場するまで
メジャーリーグにおいて、ストライクの判定を自動で解析するシステムが実際の試合で初めて導入されたのは、2001年のことである。一部球場で導入されたQuesTecは、球場内に設置されたカメラでボールの通過位置を解析し、球審の判定を検証、フィードバックを行えるようにするシステムであった[7]。QuesTecの判定が実際の試合運行に関わることはなかった。ただし、リーグはQuesTecの判定と10%以上異なる判定を出す審判は基準を満たさない、と審判員の組合に通知した[8]。この時は、QuesTecに誤作動があると非難が巻き起こったこともあり、後に自動判定技術だけでは雇用や解雇を決定しないと、再度通知を出している[7]。
その後も、投球を解析する技術はシステムを変えながら採用され続けた。QuesTecはPITCHf/xに変わり、更にはドップラー・レーダーを用いるトラックマンへと置き換えられた。そして、トラックマンやカメラシステムを組み合わせて、2015年までには全球場でデータ解析ツールのスタットキャストが作り上げられた[7][9]。この間、データはネット上で広く公開されるようになり、テレビは投球のインスタントリプレイを表示するようになった。また、審判はこうしたデータの統計を見て、自身がどのような判断を下す傾向があるのか確認し、判断の調整に役立ててきた。結果、審判が下す判定はより均質なものになったと評価されている[7][10]。こうした潮流のなかで、審判による判定を完全に自動システムへ置き換えてしまえばよいのではないかとの議論が出されるようになった[7]。
ABSのテスト
2019年、米のプロ野球独立リーグであるアトランティックリーグは、MLBとの提携の一環として、アメリカのプロ野球としては初めてロボット審判を導入した。トラックマンによる判定結果が審判に自動メッセージで送られ、審判はそれを基にコールしていた[11][12]。同じく2019年には、マイナーリーグのアリゾナ・フォールリーグで試験導入された。試験でABSはおおむね成功を収めたと評価されているほか、高低の判定には改善の余地があるとの意見も付いた[12]。また、この時捕手が地面すれすれで捕球したカーブの判定が物議を醸した。トラックマンは、カーブ球が落ちていく中で本塁先端のストライクゾーンをギリギリ掠めたと判定した。しかし、これは従来の球審がボールとコールするような球であり、ABSの判定には非難が浴びせられた[12][5]。
その後、MLBは3Dでの判定を取りやめ、二次元平面でストライクを判定するように切り替えた。そして、トラックマンに変わり、テニスなどで高精度の判定を出すことで知られていたホークアイが新たに導入された[5]。新型コロナウイルス感染症の世界的流行によりマイナーリーグは1年中断されたが、再開後の2021年からもABSのテストは続けられた[13]。2022年には、マイナーリーグの一つフロリダ・ステート・リーグではじめてチャレンジ方式がテストされた[2]。2023年のシーズンでは、マイナーリーグのAAA級リーグで大規模にテストが行われた。火曜日から木曜日まではフルABSで試合を行い、金曜日から日曜日まではチャレンジ方式を用いるといった方式であった[5]。
正式導入
韓国では球審の判定に対して選手、ファンの不信感が募っており、KBOリーグは2024年、トップリーグとしては世界で初めてABSを導入した[4]。全ての判定をABSで行い、球審はABSから与えられた判定をコールするだけという形式である[1]。
アメリカでは、しかし、様相は若干異なった。アメリカで圧倒的に支持されたのはチャレンジ方式のABSであり、次いでABSを一切用いない従来の球審だけの方式、最も支持が少なかったのはフルABS方式といった形であった[14]。フルABS方式を最初に導入していたアトランティックリーグでは、苦情が相次いだことで2022年にABSの利用を取りやめている[15]。また、2024年のAAA級リーグでは、シーズンの途中でテスト内容を全てチャレンジ方式に切り替えた[14]。
2025年には、メジャーリーグにおいても、スプリングトレーニングやMLBオールスターゲームに限定し、チャレンジ方式でのABSの試験導入が行われた。この時も、チャレンジ方式のABSはおおむね好評を博している[6]。そして、2025年9月23日、米メジャーリーグにおいて、2026年のシーズンから全試合でチャレンジ方式のABSを導入することが正式に決定された[6]。
脚注
関連項目
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads
