自然七度

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自然七度

自然七度(しぜんななど、Harmonic seventh on C.mid 再生[ヘルプ/ファイル])とは、周波数比が正確に7:4[2](約969セント)の音程である。「七の短七度」(septimal minor seventh)[3][4] または「下短七度」(subminor seventh)[5][6][7]と呼ぶこともある[8]。「一般的な」[9]純正短七度(周波数比9:5[10]、約1017.596セント、これは平均律での比256:1、1000セントと非常に近い)よりもやや狭く、「より美しい質の」音程である。自然七度は第7倍音と第4倍音(基音の2オクターブ上)の間の音程であるため、倍音列に由来していると考えられる。

概要 転回形, 名称 ...
自然七度
転回形 七の長二度英語版
名称
別称 七の短七度、下短七度
略称 m7
音程の広さ
半音の数 ~9.7
インターバルクラス ~2.3
純正音程 7:4[1]
セント値
平均律 1000
24平均律 950
純正律 968.826
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自然七度 Harmonic seventh on C.mid Play[ヘルプ/ファイル]7リミット英語版の七度。
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転回型である、七の長二度(B7が根音)。Septimal major second on B7b.mid Play[ヘルプ/ファイル]

ナチュラル・ホルンでは、この音程を16:9の音程に調整して演奏されることがよくあるが、ベンジャミン・ブリテンの「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード英語版」などの作品では真の7倍音が使われている[11]

作曲家のベン・ジョンストンは、 音程が七の四分音英語版(49セント、1018 - 969 = 49)だけ低いことを示す臨時記号として小さい「7」を、49セントだけ高いことを示す臨時記号として逆さまの「7」を使用している。そのため、「第七部分音」である自然七度は、ハ長調の場合はBの上に「7」を書いて記譜される[12][13]。また、自然七度は、バーバーショップ音楽の歌手が属七の和音自然七の和音)を協和させる時にも使われており、これがバーバーショップ・スタイルには欠かせない要素になっている。

自然七度は、増六度英語版と比べて七のクレイズマ英語版(7.71セント、ピタゴラスコンマの約3分の1)だけ異なり[14]、平均律の短七度よりも約六分音英語版(≒31セント)だけ低い。自然七度を用いると、属七の和音が持つ「完全五度への『解決の必要性』」が弱くなったり、なくなったりする。自然七度を用いた属七の和音は主音上(I7)で使用され、「完全に解決した」最終和音として機能する[15]

脚注

参考文献

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