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歯原性角化嚢胞
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歯原性角化嚢胞(しげんせいかくかのうほう、odontogenic keratocyst;OKC)は、歯原性上皮に由来し、錯角化重層扁平上皮に裏打ちされた嚢胞性病変である。
浸潤性や再発率の高さ、増殖活性の高さから、2005年のWHO分類改訂により角化嚢胞性歯原性腫瘍(かくかのうほうせいしげんせいしゅよう、Keratocystic odontogenic tumor;KCOT[1])として歯原性腫瘍として取り扱われるようになった[2]。しかし、2017年のWHO分類改訂により再び嚢胞性病変に戻された。
臨床所見はエナメル上皮腫と共通することが多いが、歯根吸収は稀である。
多発する場合は基底細胞母斑症候群の1症状としての発生が多い[2]。
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診断
確定診断は病理診断にてなされる。
病理組織所見
表面が波状を示す錯角化重層扁平上皮で裏装されている[3]。上皮の基底面は平坦で上皮釘脚の伸長は見られない。また、立方形から円柱形の基底細胞の柵状配列が見られる。裏装上皮は乳頭間隆起を欠き、結合組織からの剥離傾向が強く、嚢胞壁内の嬢細胞や小上皮塊の存在とあわせて再発の原因とされる。
画像所見
単房性・多房性の境界明瞭なX線透過像を有し、辺縁は帆立貝状所見を訂することがある[4]。CT画像では病変内部に不定形角化物が認められることがある[4]。MRIでは通常内部が不均一なT1強調像では低信号から中間信号、T2強調像では強信号を示し、造影像では辺縁の1層のみ造影される[5]。
鑑別
原因
歯堤由来の疾患で、埋伏歯と関係があると考えられている。
遺伝
基底細胞母斑症候群による角化嚢胞性歯原性腫瘍のみでなく、症候群以外の症例でも、ヘッジホッグシグナル伝達経路の一つであるPTCH遺伝子の変位が報告されており、これと関係があるとする研究がある[1][6][7]。
症状
腫脹が最も一般的な症状であるが、無症状で、歯科におけるX線撮影にて偶然発見されることが多い[8]。
悪性転換
疫学
治療
全摘出術が行われるが、再発の対策に、骨削除なども行われる[2]。腫瘍の大きさが大きな場合には、開窓術により腫瘍の縮小をはかり、その後に全摘術が行われることもある[10]。
参考画像
脚注
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