転写調節領域

転写調節領域（てんしゃちょうせつりょういき）または調節領域（ちょうせつりょういき）は、遺伝子の発現調節に関わる塩基配列を含むDNA領域のことである。

種類

転写調節領域にはいくつかの種類がある。

• 転写因子結合領域

→詳細は「転写調節 § 転写因子結合領域」を参照

転写調節領域のうち、転写因子が結合するものを指す。エンハンサー、サイレンサー、オペレーターなどが当てはまる。

• エンハンサー

→詳細は「エンハンサー」を参照

ある遺伝子に対して転写を促進させる働きをもつ転写調節領域。アクチベーターが結合する。

• サイレンサー

→詳細は「サイレンサー (遺伝学)」を参照

ある遺伝子に対して転写を抑制させる働きをもつ転写調節領域。リプレッサーが結合する。

• オペレーター

→詳細は「オペレーター (生物学)」を参照

オペロンの転写を制御する働きをもつ転写調節領域。主にリプレッサーが結合する。

• シスエレメント

→詳細は「シスエレメント」を参照

遺伝子上流部の転写因子が結合する領域。オペレーターなどが当てはまる。

• プロモーター

→詳細は「プロモーター」を参照

RNAポリメラーゼが結合する転写調節領域。TATAボックスなどが当てはまる。

調節遺伝子

転写因子（調節タンパク質）を発現する遺伝子を調節遺伝子（制御遺伝子）と呼ぶ。転写調節領域とは異なる概念だが、転写調節領域のことを指す場合もある。

参考文献

• 吉里勝利ほか 『新課程版 スクエア 最新図説生物』 第一学習社 2022年 92～95頁

関連項目

• 転写 (生物学)
• 転写因子