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超交換相互作用
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超交換相互作用(英: superexchange interaction)とは、閉殻の陰イオンを挟んだ二つの磁性イオンとの間に作用する交換相互作用である。多くの場合、磁性イオンは遷移金属イオンであり、閉殻の陰イオンは酸素やハロゲンである。この機構は遷移金属の磁性絶縁体の強磁性・反強磁性を上手く説明できる。強い電子相関によって各イオンに局在した d 軌道の電子スピンが陰イオンの p 軌道[注釈 1]を介在して、もう一方の電子スピンと相互作用するため、超交換相互作用と呼ばれる[1]。
二つの磁性イオン 1, 2 のスピンに関する演算子をそれぞれ S1, S2 とすると、二つの磁性イオンのスピン間には
のハイゼンベルク型の交換相互作用が働く。 のとき、スピンは互いに同じ方向を向き、強磁性的となり、のとき、スピンは互いに逆の方向を向き、反強磁性的となる。
この機構はオランダの物理学者ヘンリク・アンソニー・クラマースによって提唱され[2]、フィリップ・アンダーソン、ジョン・グッドイナフ、金森順次郎らによって詳細が調べられた[3][4][5][6]。
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グッドイナフ-金森則
上式のJの符号に関しては、グッドイナフ-金森則(Goodenough-Kanamori rules)という規則が存在している[7]。簡単な例を挙げると
- 2個の磁性イオンとその間の陰イオンが一直線上に並んでいる場合
- 磁性イオン、陰イオン、磁性イオンが90°の角度をなすとき
- 同種磁性イオンの場合d5の場合を除き J>0(強磁性的)
- 異種イオンの場合 J<0(反強磁性的)
が成り立つ。これらは理論的には結晶場での電子状態と、p軌道、d軌道の対称性で説明できる。
脚注
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