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青天井ルール

麻雀の点数計算におけるルールのひとつ ウィキペディアから

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青天井ルール(あおてんじょうルール)とは、麻雀点数計算におけるルールのひとつで、特殊な計算方式によって和了点の算出を行うルールのこと。青天井と略される。

概要

さらに見る 25符, 30符 ...

麻雀における通常の点数計算では、満貫(親12000/子8000)に達した時点で機械的な計算を打ち切り、飜数に応じてそれぞれ右表のように固定的な点数をあてはめてゆく。この方式を「満貫打ち切り」と言うが、これに対し青天井ルールでは、点数が満貫以上になっても満貫打ち切りをせず、満貫以上でも計算式どおりに得点を算出する。すなわち、1飜あがるごとに点数がどこまでも倍々[1]になってゆく。

右表で言うなら、30符1飜は子で960点、切り上げて1000点である。1飜増えるごとに切り上げ前の点数が2倍になってゆき、通常の計算方式では、

  • 1飜30符 = 00960点 01000点
  • 2飜30符 = 01920点 02000点
  • 3飜30符 = 03840点 03900点
  • 4飜30符 = 07680点 07700点
  • 5飜30符 = 満貫打ち切りで8000点

というふうになる。これが青天井ルールでは5飜30符で満貫打ち切りにならず、

  • 5飜30符 = 15360点  ≒ 15400点
  • 6飜30符 = 30720点  ≒ 30800点
  • 7飜30符 = 61440点  ≒ 61500点

というふうになってゆく。

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和了点の計算式

和了点の計算式は通常の点数計算における計算式と同じである。すなわち、

子のロン和了の点数符 × 2(飜+2) × 4
親のロン和了の点数符 × 2(飜+2) × 4 × 1.5
親のツモ和了の時の子の払い符 × 2(飜+2) × 4 × 1.5 ÷ 3
子のツモ和了の時の子の払い符 × 2(飜+2)
子のツモ和了の時の親の払い符 × 2(飜+2) × 2

これに飜と符をあてはめて計算し、算出された数値の10の位の端数を切り上げれば、その和了の和了点/支払いの算出は完了である。

70符15飜までの点数早見表は#青天井ルールにおける点数早見表にまとめた。16飜以上の和了や80符以上の和了が出た場合は上の計算式に符と飜をあてはめて計算すればよい。

計算式には指数が含まれているので、算出される和了点も当然のことながら指数級数的に増加してゆく。場合によっては、パッと見で何桁あるか分からないような天文学的数字になることもある。次節で実際の計算例をいくつか挙げて例証する。

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青天井計算の計算例

要約
視点

(例)東1局、西家、リーチ一発でロン和了

一筒二筒三筒九筒九筒九筒發中中中   ロン發     牌背白白牌背
表ドラ表示牌八筒   槓ドラ表示牌八筒   裏ドラ表示牌八筒   槓ウラ表示牌八筒
和了役は、リーチ+一発+メンホン+チャンタ+三暗刻+役々+小三元+オモ6ウラ6で、計25飜。
符は、九筒の暗刻8符+發の対子2符+中の暗刻8符+単騎待ち2符+白の暗槓32符+副底20符+門前加符10符で、計82符を切り上げて90符。
計算式に当てはめると、90符 × 2(25飜+2) × 4 = 483億1838万2080点
ドラがまったく乗っていない場合は、25飜からドラの12飜分を差し引いて計13飜。
計算式に当てはめると、90符 × 2(13飜+2) × 4 = 1179万6480点
普通の点数計算で子の数え役満32000点に対し、青天井では実に368倍となる。

(例)東1局、東家、リーチを掛けてツモ

三萬四萬五萬三筒四筒赤五筒三索四索四索五索五索八索八索   ツモ三索
ドラ表示牌發   裏ドラ表示牌西
一例目のメンホンチャンタ小三元のような手はなかなかできるものではないが、タンピン三色1ならそこそこ現実的である。この牌姿の場合、和了役はメンタンピンツモ三色一盃口1で計8飜、符はピンヅモなので20符。
計算式に当てはめると、20符 × 2(8飜+2) × 4 × 1.5 ÷ 3 = 40960 ≒ 41000点オール。すなわち12万3000点の和了。
通常の計算なら8000オールで24000点の和了だが、青天井では約5倍の得点になっている。

(例)ドラ#ドラの最大枚数に例示されている手を青天井計算

三萬三萬三萬三萬四萬五萬五萬五萬六萬七萬七萬七萬七萬   ツモ赤五萬
表ドラ表示牌 二萬二萬四萬四萬四萬
裏ドラ表示牌 二萬二萬六萬六萬六萬
待ちは二萬五萬八萬 四萬六萬で、赤五萬で和了った場合にドラ枚数が最大になり、かつ符が最大になる。親で諸々の偶発役もコミで和了ったものとする。
和了役は、リーチ+一発+ツモ+ハイテイ+メンチン+タンヤオ+赤1+オモ20+ウラ20で計52飜。
符は、三萬の暗刻4符+三四五の順子0符+五萬の単騎待ち2符+五六七の順子0符+七萬の暗刻4符+ツモ符2符+副底20符で、計32符を切り上げて40符。
計算式に当てはめると、40符 × 2(52飜+2) × 4 × 1.5 ÷ 3 = 144,1151,8807,5855,8720 ≒ 144京1151兆8807億5855万8800点オール。すなわち432京3455兆6422億7567万6400点の和了となる。

(例)南1局、南家、リーチを掛けたツモり四暗刻の場合

一萬一萬一萬二筒二筒六筒六筒六筒南南南八索八索     八索
ドラ表示牌發   裏ドラ表示牌中
ロン和了の場合、和了役はリーチ+ダブ南+対々+三暗刻で計7飜。符は、一萬の暗刻8符+二筒の対子0符+六筒の暗刻4符+南の暗刻8符+八索の明刻2符+副底20符+門前加符10符で計52符、切り上げて60符。
計算式に当てはめると、60符 × 2(7飜+2) × 4 = 12万2880 ≒ 12万2900点
ツモ和了の場合、和了役は四暗刻。役満を固定点とするなら符計算も飜計算もせず、1000万点なら1000万点。
役満を固定点とせず13飜相当の役とするなら、和了役はリーチ+ツモ+ダブ南+四暗刻で計17飜。符は、一萬の暗刻8符+二筒の対子0符+六筒の暗刻4符+南の暗刻8符+八索の暗刻4符+ツモ符2符+副底20符で計46符、切り上げて50符。
計算式に当てはめると、50符 × 2(17飜+2) = 2621万4400点が子の払い、その2倍の5242万8800点が親の払い。合計で1億0485万7600点の和了。固定点とするか否かで随分と違うが、このケースではリーチ・ツモ・ダブ南の4飜が余計についているため和了点が跳ね上がる。仮にリーチもせず、役牌もドラもない下例のような牌姿なら、和了点は1000万点に近似する。
一萬一萬二筒二筒二筒六筒六筒六筒四索四索四索八索八索   ツモ八索
ドラ表示牌發   裏ドラ表示牌中
和了役はツモと四暗刻だけの14飜。符は、一萬の対子0符+二筒の暗刻4符+六筒の暗刻4符+四索の暗刻4符+八索の暗刻4符+ツモ符2符+副底20符で計38符、切り上げて40符。
計算式に当てはめると、40符 × 2(14飜+2) ≒ 262万1500点が子の払い、その2倍の524万2900点が親の払い。合計で1048万5900点の和了。

役満の点数

役満の点数については取り決めが分かれる。

  • 役満は固定点とし、親1500万点/子1000万点とする。
  • 役満は13飜とし、他の役やドラとの複合を認めて計算式に当てはめる。

国士無双は符計算のしようがないので固定点にするしかないが[2]、無理やり符を定めるなら、七対子にならってロン/ツモに関わらず25符とするか、あるいは30符(ロン和了:副底20符+門前加符10符で30符、ツモ和了:副底20符+ツモ符2符を切り上げて30符)とするのが妥当である。いずれにせよ統一的なルールが定められているわけではないので、細目やレアケースの処理はゲーム開始前の取り決め次第である。

固定点の近似値については、親の1500万点に最も近いのは40符14飜の1572万8700点、子の1000万点に最も近いのは同じく40符14飜の1048万5800点である(次節の早見表を参照)。とはいえ、同じ14飜でも30符や50符になるとそれぞれ数百万単位で点数に幅が出る。機械計算方式にするとどのような役満であれほとんどのケースで固定点を大きく上回るが、場合によっては例外的に固定点を下回ることもある。例えば和了役が大三元だけだった場合、40符13飜で子524万2900点/親786万4400点である。 細目やレアケースの処理を取り決め次第とするなら、固定点方式と機械計算方式を併用し、高点法の原則にのっとって高得点になるほうを和了点とするのも一つの方法である。

古典ルールでは
阿佐田哲也の『麻雀放浪記』の劇中には、役満は10万点、天和九蓮宝燈は20万点、ダブル役満も20万点、という取り決めを交わすシーンがある[3]。ただし劇中の時代は点数のインフレ化が起きる以前の時代であり[4]、この時代に一般的だったアルシーアルルールにおける10万点と、現代の点数体系における10万点は、価値が大きく異なる。
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青天井ルールにおける点数早見表

凡例
  • 飜数の表示には場ゾロは含んでいない。
  • 上の計算式の通りに計算し、最後に10の位を切り上げた数値を表記してある。
  • 16飜を超える場合や80符を超える場合は上の計算式を利用すればよい。
  • 早見表の右端がページからはみ出る場合は、ブラウザを一時的に最大化されたし。
          青天井の影響を受け、かつ10万点未満のエリア
          10万点以上100万点未満のエリア
          100万点以上1000万点未満のエリア
          1000万点以上のエリア

ロン和了の場合の早見表

さらに見る 親/ロン, 25符 ...

ツモ和了の場合の早見表

さらに見る 親/ツモ, 20符 ...
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青天井ルールが登場する作品

小説、1969年初出、週刊大衆連載、ISBN 4041459516
  • 井上孝重『麻雀放浪記 Classic』
上記を原作とした漫画化作品、1994年1997年初出、竹書房近代麻雀オリジナル連載、ISBN 9784884757205
漫画、1994年竹書房近代麻雀コミックスISBN 9784884757724
漫画、1996年初出、竹書房、近代麻雀オリジナル掲載、ISBN 9784812451229
山城麻雀編の第三関門が青天井ルール。
漫画、1998年初出、秋田書店週刊少年チャンピオン掲載。
漫画、2002年初出、竹書房、近代麻雀、未単行本化。
後述のムダヅモ無き改革以前に麻雀漫画史上空前の点数を叩き出していた[5]
漫画、2006年初出、竹書房、近代麻雀ISBN 9784812468692
プーチンジュンイチローが青天井で対決。単位が「溝」(1032)という、麻雀漫画史上空前の点数が叩き出される[6]

ISBN表示はいずれも各作品の第1巻。

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青天井ルールが遊べるオフラインおよびオンラインゲーム

オフライン
  • 麻雀覇王ポータブル 雀荘バトル
PSP用ソフト。2006年12月発売。ASIN B000GO86MO
  • いただきじゃんがりあんR
PCソフト2005年8月発売。すたじおみりす
  • 真・麻雀
スーパーファミコン用ソフト。1994年3月発売。コナミ
オンライン
東方Project二次創作ゲーム。PCゲーム。2009年3月発売。シリアルキーの登録によりマッチングサーバに接続、オンラインでの対HUMネットワーク対局が可能[7]。ルール選択画面で「天界の石舞台」卓を選択すれば青天井ルールでの対局となる。東南戦・東風戦・三麻が選択可能。500万点持ちで開局。和了点に上限があり、子が40億点、親が60億点で打ち切り。なおこのゲームでは、配牌時点での牌透視能力・任意の牌をドラにする能力・時限ロン不可など、キャラクターごとに特殊なオプションが設定されている[8]
  • 麻雀ファイトガール
コナミのオンライン麻雀ゲーム。期間限定イベント「究極青天井!炎の暗黒メンタンピンギャラクシー」で青天井ルールでの対局が可能。三麻半荘戦のみで、持ち点1500万点。青天井以外に、過去イベントで実施されたインフレルール(気炎万丈 炎のリーチ卓[9]、冥き終焉の暗黒ドラ卓[10]、壱高トリオのメンタンピン教室[11])も全て採用されている。
最大アガリ点数のランキングが実施され、トップのプレイヤーは8京4442兆4930億1319万6800点という点数を叩き出した[12]
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脚注

関連項目

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