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高速原子衝撃法

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高速原子衝撃法
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高速原子衝撃(こうそくげんししょうげき、: Fast atom bombardment、略称: FAB)法は、質量分析において用いられるイオン化技術の一種である[1][2][3][4]。分析される材料は、マトリックスと呼ばれる不揮発性化学保護環境と混合され、真空下で高エネルギー(4000〜10000電子ボルト)原子線を衝突させられる。原子は通常、アルゴンあるいはキセノンといった不活性ガスが用いられる。一般的なマトリックスとしては、グリセロールチオグリセロール3-ニトロベンジルアルコール (3-NBA)、18-クラウン-6エーテル、2-ニトロフェニルオクチルエーテルスルホランジエタノールアミントリエタノールアミンがある。FAB法は二次イオン質量分析法プラズマ脱離質量分析法と似ている。

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四重極検出器およびFAB/EIイオン源を持つThermoQuest AvantGarde MS。
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応用

FABは、比較的ソフトなイオン化法であり、第一に失われた部分のない[M+H]+で表わされるプロトン化分子や[M-H]といった脱プロトン化分子が産み出される。イオン化産物の性質はエレクトロスプレーイオン化MALDIと近い[5]

FAB法の実用化の最初の例は、オリゴペプチドであるエフラペプチンD(efrapeptin D)のアミノ酸配列の解明であった。エフラペプチンDは様々な非常に珍しいアミノ酸残基を含んでいた[6]

脚注

参考文献

関連項目

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