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2025年ギニアビサウクーデター
2025年にギニアビサウで発生したクーデター ウィキペディアから
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2025年ギニアビサウクーデター(2025ねんギニアビサウクーデター)は、2025年11月26日に発生した。ギニアビサウの大統領ウマロ・シソコ・エンバロは、大統領府軍事局長ディニス・インカーニャ准将によって実行されたクーデターの一環として逮捕された。軍関係者は国内の「完全掌握」を宣言し、「国家安全保障と公共秩序回復のための最高軍事司令部」を設立した。このクーデターは、11月23日に行われた2025年ギニアビサウ総選挙の結果が翌日に公式発表される予定であった直前に発生した。エンバロは大統領再選を目指していた。
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背景
2025年11月23日、ギニアビサウで大統領と国民人民議会議員を選出する総選挙が実施された。最大野党ギニア・カーボベルデ独立アフリカ党が大統領選挙への立候補を禁じられたことから、市民団体や監視者らは選挙の信頼性に疑問を呈した[1]。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は数か月前に国外追放の脅迫を受け、監視団を撤退させていたが、アフリカ連合の監視団は派遣されていた[2]。現職のエンバロ大統領と野党候補フェルナンド・ディアス・ダ・コスタの双方が勝利を主張し、公式結果は11月27日に発表予定であった[3]。
ギニアビサウは1974年にポルトガルから独立して以来、9回目のクーデターまたは未遂を経験している。最後に成功したクーデターは2012年であり、直近の2022年と2023年の未遂もエンバロを標的としていた[4]。さらに2025年10月末にもクーデター計画の疑惑が報じられていた[5]。2023年の未遂後、エンバロは議会を解散し、大統領令による統治を開始したが、批判者からは野党弾圧の口実として危機を捏造していると非難されていた[6][7]。
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クーデター
11月26日、首都ビサウの大統領宮殿外で銃声が響き、軍服姿の兵士が宮殿へ続く主要道路を掌握する様子が目撃された[8]。内務省や国家選挙委員会でも銃撃が発生し、数百人が避難を余儀なくされた[9]。エンバロ大統領の報道官は、ディアス派の武装集団が選挙結果の発表を妨害するため選挙委員会を襲撃したと非難した[10]。一方、PAIGC党首で元首相のドミンゴス・シモンシュ・ペレイラは、ディアスを支持し選挙監視団との会合に同席していた際に暴力の報を受け、エンバロが敗北を認めた上で非常事態を宣言するため「偽装クーデター」を企てていると批判した[11][12][13]。
同日午後、エンバロは『ジュンヌ・アフリック』誌に対し、13時GMTに大統領府軍事局長インカーニャ准将率いる「クーデター」により執務室で無抵抗のまま逮捕されたと語った。その後、彼は参謀本部に拘束され「丁重に扱われている」と報じられた[14]。参謀総長ビアゲ・ナ・ンタ将軍、副参謀総長ママドゥ・トゥーレ将軍、内務大臣ボチェ・カンデらも逮捕された[15]。ディアスとペレイラも拘束されたが、ディアスは後に脱出に成功したと主張し、クーデターへの抵抗を誓った。国際選挙監視団は選挙委員会委員長の逮捕と本部の封鎖を報告した。大統領警護隊や憲兵隊精鋭部隊は大統領宮殿を確保した[16]。
軍本部では、インカーニャ准将が国営テレビで声明を発表し、国家の「完全掌握」を宣言した[17]。政治機関とメディアの活動停止、選挙過程の中断、国境封鎖、夜間外出禁止令の無期限施行が命じられた[18][19]。さらに全軍を統合した「国家安全保障と公共秩序回復のための最高軍事司令部」の設立を発表し、国民に冷静を呼びかけた[20]。軍は国内のインターネット遮断も試みていたとされる。インカーニャは、政治家や国内外の関係者、麻薬密売人による「選挙結果操作を企図した計画」を阻止するためにクーデターを実行したと説明した[21][22][23]。
11月27日、最高軍事司令部は参謀総長オルタ・インタ=ア・ナ・マン将軍を軍事政権の首班に任命し、1年間の移行期間を監督すると発表した[24][25]。
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反応
市民社会連合「人民戦線」は、エンバロと軍が選挙結果の発表を阻止し権力を維持するため「偽装クーデター」を演出したと非難した[26]。ディアスも同様の見解を示した。PAIGCはクーデターへの抗議と選挙結果の公表を要求した[27]。
ECOWASとアフリカ連合の選挙監視団は共同声明で「民主的過程を妨害する露骨な試みを非難する」とし、両組織に憲法秩序回復のための措置を求めた[28][29]。アフリカ連合はクーデターを非難し、エンバロら拘束者の即時かつ無条件の釈放を要求した[30]。国連事務総長アントニオ・グテーレスは「ギニアビサウの全ての関係者に自制と法の支配の尊重を求める」と声明を発表した[31]。
旧宗主国ポルトガル政府は「関係者全てに制度的・市民的暴力を控えるよう求め、投票集計と結果発表を完了させるため制度の正常な機能を回復すべきだ」と呼びかけた[32][33]。南アフリカとフランスもクーデターを非難した[34]。
脚注
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