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2025年マダガスカル軍事クーデター

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2025年マダガスカル軍事クーデター
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2025年マダガスカル軍事クーデター(2025ねんマダガスカルぐんじクーデター)は、2025年10月14日マダガスカル共和国で発生した軍部によるクーデターである。このクーデターの結果、マダガスカルの大統領であるアンドリー・ラジョエリナが国外へ脱出し、軍が政権を掌握した。

概要 時, 場所 ...
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失脚したアンドリー・ラジョエリナ大統領(2024年撮影)
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背景

マダガスカルでは2025年9月25日以降全土で反政府運動が発生し、20人以上の死者が出る事態にまで発展した[1]。この運動は首都アンタナナリボを含む全土で発生していた断続的な停電・断水の解消を求めることが目的であった[2][3][4][5]。これに対し、政府は国家警察による鎮圧を試みる一方で、クリスチャン・ンツァイを首班とする内閣を解任することで不満を解消しようと試みた[3]

しかし、ついぞ反政府運動が収まることはなかった。

推移

一部のCAPSATの兵士が10月11日に兵舎を離れて抗議運動に参加していることが確認されたため[6]10月12日の朝、ラジョエリナ大統領はCAPSATによるクーデターの試みがあったことを発表した[5][7]

その後、戒厳令が発令された。新たに首相に就任したルフィン・ザフィサンボ英語版元首相付軍参謀長が軍に対して冷静に行動するよう呼びかけた[6]

また、CAPSATと親政府の治安部隊の間で銃撃戦が発生し、デモに参加していた1人とCAPSATの兵士1人が国家憲兵隊により射殺された[7]

10月13日、CAPSATはデモステネ・ピクラス将軍を陸軍参謀総長に任命すると発表し、国防大臣がこれを追認した[5]。また、ラジョエリナ大統領の側近であるリチャード・ラヴァロマナナ英語版将軍が上院議長の職を解任された[5]

この日、ラジョエリナ大統領はフランス軍機に乗って国外の「安全な場所」に避難した[8][9]

また、野党側は大統領が「職務を放棄している」として弾劾決議に附すと発表した[1]

10月14日、ラジョエリナ大統領はマダガスカル国会の下院である国民議会の解散を命じた。しかし、国民議会は弾劾決議案の採決を強行し、賛成多数で可決された[10]

CAPSATの司令官であるミカエル・ランドリアニリナ大佐は、国営ラジオで「我々は権力を掌握した」と発表した[10]。また軍は大統領官邸を制圧し、陸軍と国家憲兵隊の将校からなる評議会の設立を発表した。大佐は、あくまで暫定政権であり、遅くとも2年以内に選挙を行い、「迅速に」文民政府への移行を進めるとしている[11][12]

国民議会を除くすべての国家機関は軍によって停止させられた[13][14]

10月15日、大佐は大統領に就任する意向を表明した[14]

10月17日、大佐はマダガスカル憲法裁判所において大統領就任の宣誓を行った[15][16]

10月20日、マダガスカルの実業家で、マダガスカル国立投資銀行(BNI)の最高経営責任者であるヘリンツサラマン・ラジャオナリベロ英語版が首相に任命された。

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国外の反応

アフリカ連合(AU)は、「深刻な懸念」を表明し、関係者に対して冷静になり、自制心を保つよう求めた[8][1]。15日、AUはマダガスカルの加盟資格を停止した[14][17]

英国外務・英連邦・開発省はマダガスカルへの不要不急の外出を控えるよう勧告を行った[8][18]

脚注

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