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GSM
FDD-TDMA方式で実現されている第2世代移動通信システム (2G) 規格 ウィキペディアから
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GSM(英: global system for mobile communications)はFDD-TDMA方式で実現されている第2世代移動通信システム (2G) 規格である。
概要
GSMは世界のほとんどの国・地域で使用されているが、日本、韓国、ツバルでは使用されていない。 2008年現在、世界の携帯電話端末市場の82%はGSM方式であり、携帯電話方式の中で最も使われている。世界の212ヵ国で約20億人が利用している。電波の利用効率が悪いことを問わない、中古インフラや中古端末が安価であることから、発展途上国では主流である。
デジタル携帯電話方式で、世代では第二世代携帯電話 (2G) に分類される。しかし、最新技術を取り入れ、次々と改訂版を出している。最初は、回線交換(音声とデータ)でスタートした。やや遅れて、GPRS(パケット交換データ通信)が追加され第2.5世代と呼ばれ、さらに上位のEDGEを含むことで第2.75世代と呼ばれる。また、その上のEDGE Evolutionでは第3世代に近いデータ転送速度が出せる(後述)。2000年代前半にはGSMネットワークにおいてGPRSは広く普及し、オペレータによってはEDGEを導入したところもあった。
GSM方式やWCDMA方式のSIMロックされていない端末を1台持っておくと、現地の事業者が対応していれば、その発行するSIMカードを買い、現地の携帯電話として現地の電話料金で携帯電話を使用できる。多くの国では空港に携帯電話会社のサービス窓口があり、プリペイドSIMカードを入手しすぐに使用できる。
そのほか、自動国際ローミングを備えるため国が変わっても使用できることや、SIMカードでサービスアカウントを管理するため端末と電気通信事業者を分離できプリペイド式携帯電話や電話機の自由な取替えが容易であることなどの特徴がある。
また、GSMを採用した携帯電話キャリアは3G方式にW-CDMA (UMTS) を選択することを3GSMと呼ぶこともある。
なお、GSMに使用されているA5/1、A5/2などと呼ばれる通信プライバシー保護用の暗号化はいくつかの深刻な弱点が指摘されており、豊富な計算能力があれば数分で解読が可能である。暗号仕様設定当時よりもコンピュータの処理能力が飛躍的に向上し、当時であれば必要十分であった暗号強度も破ることが可能となった。
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歴史
各国で異なるアナログ方式でサービスが行われていた欧州において、1982年に欧州郵便電気通信主管庁会議 (CEPT: Conference of European Postal and Telecommunications administration) が GSM (Groupe Speciale Mobile) でデジタル方式携帯電話の統一規格の策定を開始した。1987年に統一規格として採択され、これはGSM1987ともよばれる。1991年にフィンランドで初のサービスが開始された。
欧州各国で採用され、大量生産されたためシステムが安価となった。また、メーカー・欧州の標準化機関が一体となって他の地域でも採用されるように働きかけを行ったため、広く普及した。
2016年以降、オーストラリア、米国などでGSMの一部停波が始まっている。シンガポール、台湾では2017年に全面的にGSMサービスを終了した。
日本のキャリアでは、ソフトバンクモバイル、NTTドコモのほぼ全ての機種が対応し、auは3G対応機種の一部と4GLTE専用(VoLTE対応機種等)のほぼ全ての機種が対応する。なお、日本で発売される対応機種の殆どはGSMネットワークで使用される事の多い周波数(900MHzと1800MHz)へ対応しているため、北米以外の多くの国と地域で国際ローミングが可能な場合がある[1]。
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周波数帯
要約
視点
使用される周波数帯には、主に次の4つがある。
もともとのGSM規格は、900MHzからスタートし、周波数枠を広げるために、ついで、1800MHzが使われた。南北アメリカは、周波数割り当てが異なったため、これらの地域では、1900MHz,850MHzでGSMが使われる。
900/1800MHz帯ないしは850/1900MHz帯に対応した携帯電話機をデュアルバンド (Dual-band) 機、900/1800/1900MHz帯に対応した携帯電話機をトライバンド (Tri-band) 機、850/900/1800/1900MHz帯に対応した携帯電話機をクワッドバンド (Quad-band) 機と呼ぶ。
なお、北米では850/1800/1900MHzのトライバンド機もある。
日本、韓国、ツバル以外の世界中で最低一つ以上の周波数帯域が割り当てられている。
技術
要約
視点
PDC・D-AMPSは送信と受信とを同時に行わず、またGSMと比較して多重化数が少なく、最大瞬時空中線電力も小さい。また、基地局に位置登録された端末を送信時間別グループに分け、そのときのみ待ち受け端末が受信状態となる間欠通信も行っている。そのため、電池の容量当たりの待ち受け時間や通話時間を長くすることが容易である。これらに対しGSMは、基地局が安価である。しかし、周波数帯域利用効率は劣る。
GSMは、最初の規格がリリースされて20年以上になるために、実装するのに必要な特許の保護期間が過ぎている。この為、第3世代携帯電話の端末に比べると特許費用が大幅に安いために、安価に製造することが可能である。この為、機能を絞った端末の場合は50ドル以下で販売することが可能なほどである。
音声
GMSK音声
8PSK音声
8PSKの変調が追加されたEDGEの音声である。
回線交換データ通信
CSD
CSD (Circuit Switch Data)。GSMの回線交換データ通信9.6 kbps。オプションで14.4 kbps。
HSCSD
HSCSD (High Speed Circuit Switch Data)。GSMの高速回線交換データ通信、最大57.6 kbps。ひとつ9.6 kbpsまたは14.4 kbpsの回線交換スロットを4つまで束ねる事ができる。複数の回線を使用しているのと同じであり、課金が非常に不利なので、ほとんど使われない。
ECSD
ECSD (Enhanced Circuit Switched Data)。HSCSDを拡張した規格。最大345.6 kbps。3倍程度高速化されたひとつ43.2 kbpsの回線交換スロットを8スロットまで束ねる事ができる。複数の回線を使用しているのと同じであり、課金が非常に不利なので、ほとんど使われない。
パケットデータ通信
GPRS
GPRS (General Packet Radio Service)。GSMのパケットデータ通信、最大スループット171.2 kbps。ひとつ21.4 kbpsのパケットスロットを8スロットまで束ねる事ができる。
- T1,T2:Tail bits
- E:Data
- F:Stealing-flag bits
- TS:Training sequence bits
- G:Guard period
EDGE
EDGE (Enhanced Data Rates for GSM Evolution) もしくはEGPRS (Enhanced GPRS)、IMT-SC (IMT Single Carrier) はGPRSを拡張したパケット通信規格。デジタル変調方式に八位相偏移変調 (8PSK) を使用している。最大スループット473.6 kbps。3倍程度高速化されたひとつ59.2 kbpsのパケットスロットを8スロットまで束ねる事ができる。
Dual Carrier EDGE
3GPPのrelease 7で追加された2搬送波を使う仕様を従来のEDGEとの組み合わせのみで使う。従来通り8PSKのみなのでノキア・シーメンスの基地局の無線機のハードウェアは同じままソフトウェアのバージョンアップのみで592 kbpsに対応できる[2]。
EDGE Evolution
EDGE EvolutionはEDGEをさらに高速化したもの。3GPPのrelease 7で追加された。デジタル変調に8PSKの代わりに16QAMまたは32QAMを用いる。1 Mbps程度のスループットが得られるとしている。これは第三世代携帯電話に匹敵するスピードである。2009年開始予定。
EGPRS2-A
- Normal GMSK Burst
- Normal 8PSK Burst
- Normal 16QAM Burst
- Normal 32QAM Burst
EGPRS2-B
- HSR QPSK Burst
- HSR 16QAM Burst
- HSR 32QAM Burst : 下り最大1894.4 kbps、上り最大947.2 kbps。
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端末数推移
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脚注
関連項目
外部リンク
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