トップQs
タイムライン
チャット
視点
ETSファミリー
ウィキペディアから
Remove ads
ETSファミリー(E26 transformation-specific[2]/erythroblast transformation specific[3])は、転写因子のファミリーとして最大級のものの1つであり、動物に特有のファミリーである。ヒトでは28種類[4]、マウスでは27種類、線虫Caenorhabditis elegansでは10種類、ショウジョウバエでは9種類の遺伝子が存在する。このファミリーの転写因子として最初に発見された因子は、急性白血病ウイルスE26によって導入された遺伝子として同定された。このファミリーのメンバーは、さまざまな組織の発生やがんの進行への関与が示唆されている。
Remove ads
サブファミリー
ETSファミリーの転写因子は、下に示す12種類のサブファミリーへ分類される[5]。
Remove ads
構造と機能
ETSファミリーのメンバーはETSドメインを持ち、このドメインは3本のαヘリックスと4本の逆平行βシートからなるウィングドヘリックス構造(ヘリックスターンヘリックスの変種)を有する。α3ヘリックスは二本鎖DNAの主溝に挿入され、GGA(A/T)配列を認識する[6]。ETSドメインはDNA結合以外に、タンパク質間相互作用にも関与している[7]。
DNA結合を担うETSドメインはETSファミリーの中でも広範囲にわたって高い保存性がみられ、そのためDNA結合には大きな冗長性が存在する。他のタンパク質との相互作用はDNAへの特異的結合を可能にしている方法の1つであると考えられており、ETSファミリーのタンパク質は複数のシグナル伝達経路が収束する地点の1つとなっている[8]。ETSファミリータンパク質は、転写のリプレッサー、アクチベーター、そしてその双方として機能する場合がある[9]。個々のETSファミリータンパク質のETSドメイン外の配列は極めて多様であり、こうした領域を介してアクチベーターやリプレッサーとしての機能、特定のシグナル伝達経路への応答が可能となっている[10]。
Remove ads
がん
ETSファミリーの複数のメンバーが、遺伝子融合などを介してがんと関連している。一例として、ETSファミリーの転写因子をコードするERG遺伝子とEWS遺伝子との融合は、ユーイング肉腫の原因となる[11]。また、ETV6遺伝子とJAK2遺伝子の融合はearly pre-B急性リンパ性白血病の原因となる[12]。ERGとETV1は前立腺がんで遺伝子融合が生じていることが知られている[13]。
出典
関連文献
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Remove ads