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F9F (航空機)
アメリカ合衆国の航空機 ウィキペディアから
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F9F(Grumman F9F )は、アメリカ合衆国のグラマン社が開発し、アメリカ海軍などで運用された艦上戦闘機。1962年の命名規則変更により、一部のパンサーと大部分のクーガーはF9FからF-9となった。
F9F パンサー
要約
視点
F9F / F-9 パンサー(F9F / F-9 Panther )は、F9Fのうち前期の艦上ジェット戦闘機。グラマン社が製造した機体としては初、アメリカ海軍の採用機としてはFH、F2H / F-2に続く3番目のジェット機。F4Fワイルドキャット以来のグラマン社製品「猫戦闘機」らしく頑丈で生産性に重点が置かれ、円形断面の太く短い胴体に直線翼を組み合わせた手堅い設計となっている。愛称の「パンサー (Panther)」は、アメリカの用法でピューマを意味する。
グラマン社において、ジェット戦闘機の開発は1943年から開始されており、1946年4月には双発複座のG-75案がXF9F-1としてアメリカ海軍から発注されている。これは1946年12月に単発単座のG-79案に発展したため、XF9F-1はキャンセルとなり、G-79案をXF9F-2として開発が続行された。XF9F-2は3機が製作され、1947年11月21日に初飛行している。XF9F-2は量産化が決定され、F9F-2として1949年から配備が開始された。
パンサーは朝鮮戦争に投入されたが、直線翼で構成された機体デザインは、ジェット戦闘機としては明らかに古い設計思想に基づいたものであり、空力的な性能において同世代のライバル機より劣っていた。結果、戦闘機としてよりも、主に対地攻撃機の代用として運用されることとなった。しかしながら、性能差を搭乗員の技量でカバーするなどしてMiG-15を含む多数の敵機を撃墜しており、朝鮮戦争を通じて戦闘で失われた64機のF9Fのうち、空中戦で撃墜されたものはたった1機のみであった。1950年11月9日には、米海軍のW.T.エイメン少佐がF9F-2でMiG-15を撃墜し、米海軍初のジェット機撃墜を成し遂げている。朝鮮戦争休戦後は、改良型のクーガーと交代する形で第一線を退き、主に無人標的機として使用された。
アルゼンチン海軍は、1957年に中古のF9F-2を24機、加えて1962年に新品のTF-9Jを2機購入し2個飛行隊を編成、南米の海軍で初めてのジェット機部隊となった。
諸元(パンサー)

各型(パンサー)
-2型から-5型まで試作機を含めて合計1,388機
- XF9F-1
- G-75案。双発複座。計画のみ。ウェスティングハウス J30搭載予定。試作2機の発注がなされた。
- XF9F-2
- G-79案。単発単座。試作機。3機製造。
- 試作1号機
- ロールス・ロイス ニーン搭載。
- 試作2・3号機
- アリソン J33搭載。
- F9F-2
- 初期量産型。1948年初飛行。プラット・アンド・ホイットニー J42-P-6(ロールス・ロイス ニーンのライセンス生産品)搭載。562機製造。
- F9F-2D
- 無人標的機型。
- F9F-2P
- 写真偵察機型。非武装。
- XF9F-3
- XF9F-2 試作3号機を改装。J33-A-8搭載。エンジン試験用。
- F9F-3
- J33搭載。54機製造。J33の不調により後に全機がJ42に換装しF9F-2仕様に改修。1962年にF-9Bに改称。
- XF9F-4
- -4型の試作機。2機製造。
- F9F-4
- 胴体を60cm延長。垂直尾翼を上方に30cm延長。J33-A-16搭載。109機製造。J33の不調によりほとんどがJ42に換装しF9F-5仕様に改修。1962年にF-9Cに改称された。
- XF9F-5
- -5型の試作機。1機製造。
- F9F-5
- -4型と同じ機体にプラット・アンド・ホイットニー J48-P-4/P-6A(ロールス・ロイス テイのライセンス生産品)搭載。616機製造。少数の最終型はJ48-P-8搭載。1962年にF-9Dに改称。
- F9F-5P
- 写真偵察機型。非武装。長い機首。36機製造。後に1962年にRF-9Dへと改称。
- F9F-5KD
- 無人標的機型。-5型および-5P型からの改修。1962年以降DF-9Eと呼称。
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F9F クーガー
要約
視点
F9F / F-9 クーガー(F9F / F-9 Cougar )は、F9Fのうち後期の艦上ジェット戦闘機である。主翼の後退翼化などの変更により総合的に性能が向上したことから、F3H / F-3と共に1960年代のアメリカ海軍航空部隊における戦力となった。愛称の「クーガー (Cougar)」は、より限定的にピューマを意味する。
クーガーは、パンサーの主翼を直線翼から後退翼に改良した機体である。朝鮮戦争で活躍したパンサーは頑丈で信頼性が高く扱い易い機体ではあったが、敵である東側諸国が使用するMiG-15やアメリカ空軍のF-86等の後退翼を有する戦闘機に比べると性能面で見劣りがした。そのため、アメリカ海軍はグラマン社にパンサーの後退翼化を要請した。
グラマン社は1947年の段階で、F9Fの後退翼機案を検討しており、これを基にF9F-6として開発することとなった。しかし、広大な滑走路を使用出来る陸上機と異なり、限られたスペースしかない航空母艦からの発着艦をこなさなければならない艦上機は直線翼と比し、後退翼は不利であったが、大型フラップ、自動スラット、スポイラーを導入することにより、パンサーの性能を凌ぐ艦上戦闘機となった。初飛行は1951年9月20日。1952年から部隊配備が始まり、60年代初めに戦闘機型が退役した後も、練習機や連絡機として1974年まで使用された。またアメリカがベトナム戦争に参戦した後、複座練習機型TF-9Jが1965年から1967年頃までFAC(前線航空管制任務)に投入されていた。
なお、クーガーの後継機となったグラマンF11Fタイガーは、開発当初、予算対策上F9F-8やF9F-9の名称を持っていた。
諸元(クーガー)
各型(クーガー)
- F9F-6
- F9F-5を基に後退翼としたもの。646機製造。1962年以降F-9Fと呼称。
- F9F-7
- J33-A-16A搭載。168機製造。1962年以降F-9Hと呼称。
- F9F-8
- 胴体を延長など。662機製造。1962年以降F-9Jと呼称。
- F9F-8P
- 写真偵察機型。非武装。武装の他はF9F-8と同じ。110機製造。1962年以降RF-9Jと呼称。
- F9F-8T
- 練習機型。400機製造。1962年以降TF-9Jと呼称。
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現存する機体
パンサー
クーガー
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登場作品
映画
書籍
- 『侵攻作戦パシフィック・ストーム』
- パンサーが合衆国海軍空母の艦載機として登場。
ゲーム
- 『War Thunder』
- アメリカ軍の航空機としてF9F-2、F9F-5、F9F-8が登場する。プレイヤーが操作可能。
脚注
関連項目
外部リンク
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