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HTV-X1号機
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HTV-X1号機は、新型宇宙ステーション補給機HTV-Xシリーズの初飛行であり、新しい無人の使い捨て型貨物宇宙機の技術実証ミッションとして実施された。2025年10月26日に打ち上げられた[2]。
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積荷
要約
視点
HTV-X1は初飛行して技術実証飛行を行うために、主に非与圧貨物を1,500kg減らして最大積載量に達せずに打ち上げられた[i]。HTV-Xの設計最大積載量(与圧貨物4,069kg、非与圧貨物1,750kg[5])を達成するためには、ロケットが地上管制センターの制御範囲外を飛行中に異常が検知された際に自動的な飛行中止を可能とするH3ロケットのオプション装備である自律型飛行安全システム(Autonomous Flight Safety System)ASSを使用する必要がある[ii]。このシステムはHTV-X1のH3ロケット7号機での打ち上げ時に初めて試験されたが、完全には運用されなかった[6][iii]。
HTV-X1は最大6か月間ISSに係留され、その間に貨物をISSに移送したり、廃棄物をHTV-Xに積み込んだりする予定となっている[1]。
与圧貨物
HTV-X1は国際宇宙ステーション(ISS)に以下の与圧貨物を届けることになっている:[1]
- 乗員の補給品:1,468 kg (3,236 lb)
- 科学研究:255 kg (562 lb)
- 船外活動装備:190 kg (420 lb)
- 宇宙船資機材:255 kg (562 lb)
- コンピューター資材:8 kg (18 lb)
- きぼうシステム構成品:
- JEM-RMS用のLED照明装置
- AEP2(エアロック電装パッケージ2)、エアロック制御装置の交換部品
- DRCS(二酸化炭素除去システムの実証)
- NORS(窒素/酸素再充填システム)のタンク
- RST(水分補給タンク)
- 科学および技術実験:
- JAXAのきぼう有償利用制度における民間部門のペイロード:[1]
- 日本酒醸造元の獺祭が三菱重工業と共同開発した装置を用いて宇宙での日本酒の発酵に挑戦する
- アウトドアアパレルブランドCHUMSの日本ライセンシーが、ぬいぐるみのマスコットキャラクターを使った広告や教育用のビデオ撮影を予定している
- 埼玉県加須市産の種籾が国際宇宙ステーションに送られ、その後回収されてDigitalBlast社による地元の農業と教育の取り組みの一環として地球上で栽培される予定となっている
- 日本航空は、顧客のパスポートを送付し、ISS上でスタンプを押して写真撮影を行った後に、所有者に返却する
- 国際宇宙ステーションに送られた植物の種子は地球に持ち帰られ、栽培・開花されて2027年国際園芸博覧会で展示される予定となっている
- 4人のVTuberのぬいぐるみと43人のVTuberのアクリルプリントがライブ配信と記念撮影のためにきぼうに届けられる
- 技術デモンストレーションでは、将来の商業宇宙ステーションの環境品質を監視するための小型自動分散センサーの展開と運用を紹介する
非与圧貨物
- i-SEEP(交換可能な小型露出実験プラットフォーム)
技術実証ミッション
HTV-Xは、主な貨物輸送ミッションに加え、ISSからの離脱後最大1年半にわたり、実験や技術実証を行うための軌道上プラットフォームとしても機能する。HTV-X1の技術実証ミッションフェーズは3ヶ月間を予定しており、以下のペイロードを搭載する:[1]
- H-SSOD、高度約500kmでCubeSat「てんこう2」を放出する小型衛星投入機。これは、軌道減衰に関してより長い運用寿命が実現し、展開された衛星の新たな潜在的用途が開拓するためにHTV-XにISSよりも高い軌道から小型衛星を展開できる能力があることを実証する。
- Mt.FUJI、衛星レーザー測距(SLR)の技術実証。地上からレーザ光を照射し、反射して返ってくる光を観測することで、地上とHTV-Xとの間の距離を測定するだけでなく、SLRによる宇宙機の姿勢運動の推定を実データと比較し検証する。
- 将来の宇宙太陽光発電システム等に向けた大型宇宙構造物の建設に関する技術:
- 展開可能な軽量パネル機構の試験とその構造特性の測定
- DELIGHT、展開構造物に取り付けられた軽量の平面アンテナ
- SDX、次世代太陽電池技術の実証
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運用
打ち上げ
当初、HTV-X1は2025年10月21日打ち上げられる予定となっていた[7]。悪天候が予想されたことから、打ち上げが延期された[8]。
HTV-X1は、H3ロケット7号機[注釈 1]に搭載されて2025年10月26日の00:00:15 UTC(09:00:15 JST)に種子島宇宙センター吉信射点の第2打ち上げエリアから打ち上げられた[9]。これは4基の固体ロケットブースターを幅広のペイロードフェアリングを備えたH3ロケットとしては初飛行となった[10]。
巡行、ISSとのランデヴー
10月29日にJAXAの宇宙飛行士油井亀美也がジーナ・カードマンの補助で[[カナダアーム2を操作し、15:58 UTCに宇宙船を捕捉した。ドッキングする間、JAXAの星出彰彦飛行士がテキサス州ヒューストンにあるNASAのジョンソン宇宙センター内の{{仮リンク|クリストファー・C・クラフト・ジュニア・ミッションコントロールセンター|en|Christopher C. Kraft Jr. Mission Control Center|label=ミッションコントロールセンター]]からCAPCOMを務めた[11]。NASAのジョンソン宇宙センターと、JAXAの筑波宇宙センターの地上チームは、10月30日の11:00 UTCにハーモニーモジュールの天底(地球)側ポートへの係留を完了した[12]。NASAドッキングアプローチ中、HTV-X1はISSクルーの指示の下、後退機動のデモンストレーションを実施した[13]。
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脚注
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