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M41D軽戦車

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M41D軽戦車
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M41Dは、M41A3を近代化改修した中華民国(台湾)の軽戦車[1][2]。Dは「ディーゼル化」の意[3]

概要 種類, 原開発国 ...

開発

1990年代中ごろ(1994年説[1]と1996年説[2]がある)に、旧式化したアメリカ製のM41軽戦車を近代化改修する計画として開始された[1][2]。2チームによるコンペの結果、陸軍兵器整備開発センターの改修案が採用されて400両の改修を予定していたが、1996年の第三次台湾海峡危機を受けてアメリカが中華民国へM60A3TTS主力戦車の輸出を許可したことと、予算の優先順位が変更になったことなどにより計画は縮小されてしまった[1][2]

最終的に、1999年8月までに50両だけがM41A3からM41Dに改修された[1][2]

設計

火力

主砲は、原型のM32A1から国産のM32K1ライフル砲に換装されている[1][2]。これは砲口制退器をT字型から多孔式に変更し排煙器を追加したもので、射距離2,500メートルで250ミリ厚/45度傾斜の装甲鋼板を貫徹可能なM464装弾筒付翼安定徹甲弾を射撃できる[1][2][3]。副武装としては、対空用として砲塔上部に12.7ミリのM2重機関銃、主砲同軸に7.62ミリの74式機関銃を搭載している[1]。搭載弾数は主砲弾が65発、12.7ミリ弾が2,175発、7.62ミリ弾が5,000発である[1]

射撃統制装置(FCS)には、テキサス・インスツルメンツ社製の戦闘車両熱線照準システム(CVTTS)、デジタル式弾道コンピュータ、レーザー測距儀などが搭載され、夜間交戦能力を含む射撃精度が大きく向上した[1][2][3]

防御力

主装甲に変化はないが、車体側面にサイドスカートが追加された[1][3]。また、砲塔前面両側に6連装の発煙弾発射機があり、エンジンには煙幕放出装置が装着された[1]

機動力

エンジンはライセンス生産された8V-71Tディーゼルエンジン(405馬力)に、変速機は前進2速・後進1速のアリソンCD-500-3に換装されている[1][2]。原型のガソリンエンジンから若干馬力は減少したが燃費が向上し、燃料タンクの容量を拡大したこともあって、航続距離は160から450キロメートルまで大きく増加した[1][2][3]

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運用

未改修のM41とともに配備されていたが、2022年2月にM41A3が退役したことで中華民国陸軍が運用する唯一の軽戦車となった[4][5]。2024年8月の自由時報の記事によれば、金門島に14、5両程度が配備されるのみとなっている[3]

2024年8月、中華民国国防部はM41Dを2028年までに退役させると発表した[3]。後継としては105ミリ砲を搭載した「獵豹」8輪式装甲戦闘車が開発中であり、2028年から量産予定である[6]

脚注

参考文献

関連項目

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