トップQs
タイムライン
チャット
視点

MIPS

ウィキペディアから

Remove ads

MIPS(ミプス)は、100万命令毎秒 (million instructions per second) の略で、コンピュータ性能指標の1つ。1秒間に何百万個の命令が実行できるかを表す。

概要 100万命令毎秒 million instructions per second, 記号 ...

一般にMIPS値は、ほとんど分岐のない命令列を実行させたピーク性能を示し、実際のアプリケーションの性能を表していないことが多い。

メモリ階層もMIPS値に大きく影響する。キャッシュに収まらないサイズのプログラムの場合、実行速度はCPU性能ではなくメモリバスの性能で決定する。そのため、MIPSは原則として1次キャッシュに収まるサイズのプログラムで測定される。

またMIPSは、同じ命令セットを持つCPU同士で性能を比べないと意味がない。同じことをするのに必要な命令の数が異なるからである。命令セットの種類が少なく、同じことをするのに多くの命令を使うRISCは、同じ技術レベルのCISCより高いMIPSを持つ。異なるアーキテクチャのプロセッサ性能を比較するにはSPECなどのベンチマークを使用する。

用語としては、

  • KIPS / kIPS (Kilo Instructions Per Second) 1000命令毎秒
  • BIPS (Billion Instructions Per Second) 10億命令毎秒
  • TIPS (Trillion Instructions Per Second) 1兆命令毎秒
  • QIPS (Quadrillion Instructions Per Second) 1000兆命令毎秒

などもある。古いコンピュータの性能はKIPSで表されることがある。2025年現在、1TIPSを超える性能を持つCPUは存在しているが[1]、TIPSやQIPSは依然として、将来の技術動向に関する予測、あるいは大規模統計において使用されることがある。

Remove ads

バリエーション

1970年代末頃から[2]使われた基準のひとつとして、VAX MIPSという値がある。何らかの共通のベンチマークプログラムを使用し、VAX 11/780の性能を「1 VAX MIPS」として、それとの性能比として表現するものである(同機が1 MIPSだったわけではない)。VAX Unit of Performance・VUPなどとも呼ばれた。Dhrystoneが使われるようになると、DhrystoneによるVAX MIPSがDhrystone MIPS・DMIPSとして使われるようになった。

初期の 8 ビットや 16 ビットのマイクロプロセッサの性能は KIPS 単位である(1 KIPS は 0.001 MIPS)。例えば、最初の汎用8ビットマイクロプロセッサである Intel 8080 は 640 KIPS で動作した。Intel 8086 は 800 KIPS、初期の 32ビットのパーソナルコンピュータは 3MIPS程度の性能である。しかし、2011年現在では、組み込み用のマイクロコントローラですら数MIPS程度の計算力があり、大量購入した場合、1個あたり100円以下で購入できる。

zMIPSIBMが内部的に使っている用語で、同社のメインフレームであるSystem zの性能指標である。

Remove ads

MIPS(KIPS)値の変遷

さらに見る プロセッサ, (D)MIPS / 動作周波数 ...
  • * Dhrystone MIPS値と単純な100万命令毎秒の値が混在している。
Remove ads

関連項目

参照

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads