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NWOBHM

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NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル、New Wave Of British Heavy Metal)は、1970年代後半のイギリスで勃発した音楽ムーブメントのことである。"N.W.O.B.H.M."と表記されることもある。アイアン・メイデンデフ・レパード、サクソン、サムソン、タイガース・オブ・パンタンプレイング・マンティスらが、NWOBHMの代表的なバンドとされている。

概要・歴史

1970年代後半のイギリスは、保守党・労働党のお粗末な政策と、石油ショック後の大不況の影響で、国民は厳しい生活状況に追い込まれていた。[1]1979年夏、イギリスでDJニール・ケイ主催のヘヴィ・メタル・ディスコ「Bandwagon」で、無名バンドによるライブイベント「Heavy Metal Nite」が開かれた。ローカル・バンドの自主製作盤の紹介も行っていた雑誌「Sounds」誌には、「Bandwagon」で紹介されたバンドのBest10を発表するコラムがあった。このコラムで注目されたアイアン・メイデンサムソンエンジェル・ウィッチによってツアーが実施されたことが、パンクに対抗するハード・ロックヘヴィ・メタル(以降 HR/HM と表記)バンドが登場する契機となった。

NWOBHMの由来は「Sounds」誌で、ジェフ・バートンの書いた記事による。1970年代後期のHR/HMは、パンク以降に登場したニュー・ウェイヴを支持する人間が過去のロックを「オールド・ウェイヴ」と呼ぶ事に対しあえて「"New Wave"」、ブリティッシュ・ロック低迷からの復権を願って"British"、ハード・ロックを継承しながらも新しい時代を切り開く意味で"Heavy Metal"を合わせて名付けられた。 パンク、ニュー・ウェイヴが過去の音楽を否定する事を始まりとするのに対し、NWOBHMは伝統を継承するとの主張が込められている。

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詳細

女性学者のディーナ・ワインステインによれば、ヘビーメタル・バンドやメタル・ファンの音楽、哲学、ライフスタイルは、左翼の批評家や、保守・右派的な世論の両方からしばしば非難されたという。[2]1979年5月にEMIからデビューアルバムを発表したサクソン、同年8月にフォノグラムと契約したデフ・レパード、同年12月にEMIと契約したアイアン・メイデンが代表的なバンドとして挙げられるが、実際には1980年代前半までに乱立したインディーズ・レーベルや自費出版による流通で発表を行った多数のバンドがNWOBHMの中核であった。1980年代前半までに7インチ・レコードを発表したバンドだけがNWOBHMと呼ばれるとする見方もある。なお、レインボー[3]ジューダス・プリースト[4]UFOシン・リジィ[5]ディープ・パープル[6]レッド・ツェッペリン[7]ブラック・サバス[8]マイケル・シェンカー・グループなどのバンドは、NWOBHMには含まれない。

このムーブメントの影響は、1980年8月16日にイギリス・ドニントンで第1回のモンスターズ・オブ・ロックが開催され、HR/HM系バンドのみのロック・フェスティバルとしてレインボー、ジューダス・プリースト、スコーピオンズ、サクソン、エイプリル・ワイン、タッチ、ライオットが出演している。伝統的なレディング・フェスティバルでは、パンク、ニュー・ウェイヴ系から、HR/HM系のバンドが主な出演となり、1980年にはバッジーホワイトスネイクなどが、1981年にはスコーピオンズ、UFOなどが、1982年にはダイアモンド・ヘッド、マイケル・シェンカー・グループなどが出演している。また、イギリス以外の国(特にアメリカや日本における)でのヘヴィメタルの隆盛にもつながっている。ヒット曲「ラブ・バイツ」や「シュガー・オン・ミー」で、全米チャートでも成功を収めたデフ・レパード[9]は「自分たちはヘヴィメタルバンドではなく、ハードロックバンドである。」と、NWOBHMとは関係がないとしている。

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NWOBHMの代表的なバンド一覧

脚注

洋書

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