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PCエンジンスーパーグラフィックス

日本電気ホームエレクトロニクスより発売された家庭用ゲーム機 ウィキペディアから

PCエンジンスーパーグラフィックス
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PCエンジンスーパーグラフィックス(ピーシーエンジンスーパーグラフィックス、PC Engine SuperGrafx)とは、1989年11月30日[1][2]日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)より発売された家庭用ゲーム機PCエンジン上位互換機。当時のメーカー希望小売価格は39,800円。

概要 開発元, 種別 ...

1989年10月7日に日本電気ホームエレクトロニクス本社にて[2]、年末商戦前のPCエンジンの販売戦略リニューアルの際に発表された。高スペックを売りにしており、従来機のPCエンジンと比較してスプライト及びバックグラウンドの表示が2倍、それに合わせて搭載メモリ容量を増量している。

フランス市場ではSuperGrafx(スーパーグラフィックス)の商品名で発売された[要出典]

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ハードウェア

PCエンジンに使用されていたグラフィックチップHuC6270を2個搭載する事により、スプライトバックグラウンドの仕様を2倍に強化したマシンである。搭載メモリの容量も増量され、アナログコントローラ用の18ピンパラレル端子を備えていた。

独立した2つのビデオチップから出力される2系統のビデオデータ信号を1つに合成しモニターへ出力する方式がとられている都合上、ゲームのアルゴリズム制御と画面描画を統一的に管理しにくく、各々のチップそのものの制約はそのまま受けるなどプログラミングが煩雑で扱いにくいマシンとなっていた。

筐体は自動車のV型6気筒エンジンをイメージした様な意匠・形状でサイズは従来機の3倍以上である。

他機器との接続において、ジョイパッド周辺機器に関しては、基本的に従来機であるPCエンジンと同じ物が使用できる。ただしCD-ROM2の利用において注意するべき点が存在する。

  • CD-ROM2に接続する場合には、形状の問題から専用の接続アダプタが必要。
  • SUPER CD-ROM2に接続する場合には、電源供給ケーブルが非対応のため双方のACアダプタが必要。後にこの問題を解消する同人ハードウェアが発売[3]
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仕様

CPUおよび音源などのスペックはPCエンジンと同一の物であるため詳細は『PCエンジン』を参照。ここでは概要の記載のみに留める。

  • CPU:HuC6280(クロック:7.16MHz 音源内蔵)
  • 音源:波形メモリ6音~波形メモリ4音+ノイズ2音
  • メモリ:メインRAM32KB/VRAM128KB
  • 同時発色数:512色中最大481色[注釈 1]
  • スプライト:一画面中に最大128個、横方向へ16×16のサイズを最大32個表示可能
    ただし横320ドットモード時で駆動の場合は横方向への表示個数は28個に制限される[注釈 2]
  • BG(背景):2画面
  • HuC6202:2個のビデオチップから送られてくるビデオデータ信号を1つに合成して出力

周辺機器

さらに見る 型番, 名称 ...
  • パワーコンソール(未発売)
スーパーグラフィックスの発表時には、本体に覆いかぶせて収納する専用の大型アナログジョイスティック「パワーコンソール」の発売も同時発表された。設定された予定小売価格は59,800円。
プレイを記録するマクロ機能、ゲームと連動するインジケーター、ジョグダイヤル、テンキーなどの様々な機能を満載していた。
価格設定や内部の駆動系の強度に問題があったことなどから、パワーコンソールの商品化は見送られ発売はされなかった。
後に試作品が、コミックマーケットの企業ブースでオークションとして売りに出された。
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ソフトウェア

ハードウェアの拡張部分とコーディングの都合により従来の一部のソフト[注釈 3]では後部の切り替えスイッチによるPCエンジンモードでの起動が必要である。

専用ソフト

両対応ソフト

両対応ソフトは起動の際にソフト側でハードを認識し、PCエンジンでの起動の際はビデオチップ1個、スーパーグラフィックスでの起動時にはビデオチップ2個を使用する。通常のPCエンジンでもプレイ可能だが、スーパーグラフィックスで起動した場合はスプライトの横並びのチラつきが軽減されるなどの恩恵がある。

  • ダライアスプラス(NECアベニュー、1990年9月21日)
  • ダライアスアルファ(NECアベニュー、1990年) - プレゼント用非売品

発売されなかったソフト

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反響

『月刊PCエンジン』ではPCエンジン参入メーカー29社に対して、スーパーグラフィックス用のタイトルの開発予定があるかアンケートを取り、1989年12月号(1989年10月30日発売)にて結果が発表された。それによると、開発を行っていたのはハドソンとNECアベニューの2社のみだった[9]。開発予定があると答えたのはインテック、日本ソフト販売、ビデオシステム、ホームデータの4社[9]で、ホームデータは「囲碁ソフト」、他の3社は「具体的な企画は検討中」だった[10]。残りのメーカーは「現時点ではわからない」と答え、その理由は「本体の普及台数をみて考える」「本体の性能が詳しくわからないため」だった[9]

結果的に、発売された専用ソフトはハドソンとNECアベニューから合計5本に両対応ソフトが1本のみであり、この機種に応じた市場を形成することはできなかった。

脚注

参考文献

関連項目

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