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Sp1転写因子
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Sp1転写因子(specificity protein 1)は、ヒトではSP1遺伝子によってコードされるタンパク質である[5]。
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機能
SP1遺伝子にコードされるSP1タンパク質はジンクフィンガー型転写因子であり、多くのプロモーターのGCリッチモチーフに結合する。SP1タンパク質は、細胞分化、細胞成長、アポトーシス、免疫応答、DNA損傷応答、クロマチンリモデリングなど多くの細胞過程に関与している。このタンパク質の活性はリン酸化、アセチル化、グリコシル化などの翻訳後修飾やタンパク質分解によるプロセシングの影響を受け、アクチベーターとしてもリプレッサーとしても機能する[5]。
ミトコンドリアフェリチン遺伝子(FTMT)の推定プロモーター領域に結合する転写の正の調節因子としてSP1、CREB、YY1が、負の調節因子としてGATA2、FOXA1、C/EBPβが同定されている[6]。これらの調節因子のDNA結合活性に対するデフェリプロン(DFP)の影響がクロマチン免疫沈降(ChIP)アッセイによって調べられている。これらの中で、SP1のみがDFP処理後に用量依存的なDNA結合活性の大幅な増大を示した。siRNAによるSP1のノックダウンによってDFPによるFTMTのmRNAレベルの増加はみられなくなることから、DFPの存在下ではSP1を介したFTMTの発現の調節が行われていることが示唆される。DFP処理はSP1の細胞質および核内での発現を増加させ、主に核内に局在させる[7]。
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構造
SP1は転写因子のSp/KLFファミリーに属し、785アミノ酸長、81 kDaである。SP1転写因子はジンクフィンガーモチーフをもち、これを介してDNAに直接結合して遺伝子の転写を亢進させる。ジンクフィンガーはCys2/His2型で、5'-(G/T)GGGCGG(G/A)(G/A)(C/T)-3'のコンセンサス配列(GCボックスエレメント)に結合する。ヒトゲノム中には12,000か所程度のSP1結合部位が見つかっている[8]。
応用
Sp1は芳香族炭化水素受容体やエストロゲン受容体の双方に結合し、そして比較的一定のレベルで存在するため、これらの受容体の増加や減少の研究の際のコントロールタンパク質として利用される[9]。
阻害剤
Streptomyces plicatusによって産生される抗腫瘍性抗生物質であるプリカマイシンや、アシュワガンダWithania somnifera由来のステロイドラクトンであるウィザフェリンAはSp1転写因子を阻害することが知られている[10][11]。
miR-375-5pは大腸がん細胞でSP1とYAP1の発現を大きく低下させる。SP1とYAP1のmRNAはmiR-375-5pの直接的な標的である[12]。
相互作用
Sp1転写因子は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。
- AATF[13]
- CEBPB[14][15]
- COL1A1[16]
- E2F1[17][18][19]
- FOSL1[20]
- GABPA[21]
- HDAC1[13][22][23][24]
- HDAC2[23][24][25]
- HMGA1[15]
- HCFC1[26][27]
- HTT[28]
- KLF6[29]
- MEF2C[30]
- MEF2D[31]
- MSX1[32]
- MYOG[33]
- POU2F1[26][34]
- PPP1R13L[35]
- PSMC5[36][37]
- PML[38]
- RELA[39][40]
- SMAD3[41][42]
- SUMO1[36]
- SF1[43]
- TAL1[44]
- UBC[36]
- WRN[45]
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出典
関連文献
外部リンク
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