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Uボー

藤子不二雄の藤本弘による日本の漫画 ウィキペディアから

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Uボー』(ユーボー)は、藤子不二雄(のちの藤子・F・不二雄)による日本漫画作品、および本作に登場する架空の生物の名称である。毎日新聞子供向け週刊新聞毎日こどもしんぶん』において、1976年3月27日号(創刊号)から1979年8月2日号まで連載された。

概要

『毎日こどもしんぶん』創刊とともに、同紙のメインコンテンツとして掲載された作品[1]。同紙の読者が低年齢層の子供であることから、子供の目を引きつけることを狙って掲載されたもので、藤子不二雄が『毎日小学生新聞』でデビューした縁で、藤子に白羽の矢が立った[2]

執筆にあたって編集側からの注文は何もなく、タイトルやテーマはすべて藤子に一任されていた[2]。読者が低年齢層であることだけは藤子に伝えられていたため、編集側の狙い通り、同時期に藤子が雑誌上で連載していた代表作『ドラえもん』よりももう一段階低年齢向けの、より空想に近い作品として描かれている[2][3]。主人公のUボーはドラえもん同様にさまざまな不思議な道具を出し、中には「スモールライト」「どこでもドアー[注 1]といったドラえもんのひみつ道具に通じるものがあるもの[3]の、これらはドラえもんと比較すると、楽しく遊ぶことが目的で用いられることが多い[4]

本作の連載は3年半で終了したが、藤子が他にも連載を抱えている中、オールカラーで週刊連載という負担の大きいであろう作品にもかかわらず、締め切りに遅れることは一度もなかったという[2]。連載終了後もしばらくの間は、Uボーは『毎日こどもしんぶん』のマスコットキャラクターとなり、販促などに用いられた[1]。また、連載当初はアニメ化の企画もあったという[4]

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あらすじ

要約
視点

遠い宇宙から地球にやってきた空飛ぶ円盤、Uボー。意思を持ち言葉を話し、人を乗せるサイズから人間大の大きさにまで姿を変える。

天川すすむ[注 2]少年の家に居候することになったUボーは、不思議な能力や口から出す様々な道具で、すすむとともに楽しい毎日を過ごす。

『Uボー』全サブタイトル一覧

本作は話数が非常に多い(全179話)ため、年ごとに表を分割し、折りたたんでおく。
掲載はすべて『毎日こどもしんぶん』である。
さらに見る 初出掲載号, サブタイトル ...
1977年副題一覧
01月01日号広くてあったかいお正月[注 4]
01月08日号もっと雪がほしい
01月15日号指人形ロボット
01月22日号しりとり箱
01月29日号ストップピストル
02月05日号モノレールにのろう
02月12日号手品ふろしき
02月19日号組みたて式ペット
02月26日号風船ボート
03月05日号おうちでさかなつり
03月12日号まほうのランプ
03月19日号ペラペラになったすすむ
03月26日号地下にうちをつくろう
04月02日号変身服
04月09日号せんすいガム
04月16日号たからさがし機
04月23日号お部屋のハイキング
04月30日号列車がはこびます
05月07日号なんでもリモコン
05月14日号て早くしんじゅをつくる法
05月21日号ままごとハウス
05月28日号万能きびだんご
06月04日号なんでもネジ
06月11日号ホタルの光
06月18日号雨よけぼうし
06月25日号ジュースが飲みたい
07月02日号部屋でできる花火!?
07月09日号氷の部屋
07月16日号スクスクホルモン
07月23日号夏には「くもはなび」
07月30日号海をつくろう
08月06日号おもちゃのたまご
08月13日号お知らせ時計
08月20日号写真スケッチブック
08月27日号フルーツねんど
09月03日号ふわふわふろしき
09月10日号おどりだしたらとまらない
09月17日号草むら探検車
09月25日号ぬけあなわ
10月01日号そのとおりシール
10月08日号すすむのかげぼうし
10月15日号ロボットねんど
10月22日号空気えんぴつ
10月29日号ピストルクリーム
11月05日号やじるしのほうへ
11月12日号かためライト
11月19日号人形しばい機
11月26日号ひもとあそぼう
12月03日号のびのび手ぶくろ
12月10日号ドロンドロン
12月17日号めだまくん
12月24日号未来めがね
1978年副題一覧
01月01日号小さくなってあそぼう[注 4]
01月07日号おふろはたのしい
01月14日号くるまのおつかい
01月21日号きせつベルト
01月28日号ストライク帽
02月04日号どこでも表札
02月11日号少しの雪でもたのしさいっぱい
02月18日号絵が動くクレヨン
02月25日号すすむのスーパーカー
03月04日号大きくなる虫めがね
03月11日号テレビつりざお
03月18日号めいろつくり機
03月25日号雲のお池
04月01日号ふくらしポンプ
04月08日号へんそうシャツ
04月15日号インスタントすべり台
04月22日号命中ピストル
04月29日号声ふくろづめマイク
05月06日号空中フック
05月13日号ぼうけんめがね
05月20日号手のりえさ
05月27日号いすがヒヒンとないた
06月03日号ふんわりガス
06月10日号パラシュートでぼうけん
06月17日号鏡のつりぼり
06月24日号とおせんぼチョーク
07月01日号三階ができたよ
07月08日号北極の風
07月15日号入道雲をのぼろう
07月22日号はな水はきれいだな
07月29日号服うごかしライト
08月05日号庭で海水浴
08月12日号台風でサーフィン
08月19日号おとしものをさがせ
08月26日号ドライブごっこ
09月02日号ロボットブロック
09月09日号ストップライト
09月16日号ゆうえんちざぶとん
09月23日号ほんものカメラ
09月30日号ほんものカメラでお店屋さん[注 5]
10月07日号地図でひとさがし
10月14日号エレベーターまめ
10月21日号おしゃべりガス
10月28日号はね手ぶくろ
11月04日号カメレオンしっぽ
11月11日号つみき城へおいでよ
11月18日号くも糸でつなわたり
11月25日号あたり矢
12月02日号番犬ばこ
12月09日号かけっこゼッケン
12月16日号動物語ふりかけ
12月23日号三ついいことしたら
1979年副題一覧
01月01日号初日の出を見たい[注 4]
01月06日号なんでもあげろ
01月13日号もち月
01月20日号ヨクスベール
01月27日号おもくなーれ
02月03日号どこでも草花
02月10日号なんでもラジコン
02月17日号動物がラジコンに…
02月24日号ひもの友だち
03月03日号おふろゆうえんち
03月10日号絵で買うはんばい機
03月17日号手がき鉄道
03月24日号テルテルロケット
04月01日号ハンコがみ
04月07日号いなかにおひっこし!?
04月14日号テレビ番組をつくろう
04月21日号動物めがね
04月28日号ビュウストロー
05月05日号消しゴムで大さわぎ
05月12日号おかしの家をつくろう
05月19日号絵本ができたよ
05月26日号ポスターになったすすむ
06月02日号かたづけライト
06月09日号のりものふうせん
06月16日号紙すもうとりにはかなわない
06月23日号しかられボール
06月30日号レールおしだし機
07月07日号部屋の中の大宇宙
07月14日号ふうせん糸
07月21日号おともクーラー
07月28日号手のり金魚をまもれ
08月04日号いいなり紙ひこうき
08月11日号ご近所ハイキング
08月18日号室内漂流記
08月25日号もしもしとさようなら
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登場人物

要約
視点

本作ではUボー・すすむ・まりこ(まりちゃん)以外名前をほとんど呼ばれる場面がない、姓が呼ばれる場面は全員皆無ですすむのみ手紙の宛名で分かる程度[5]

『藤子・F・不二雄大全集』版の巻末にある特別資料室(p.377)のキャラクタースケッチに各自フルネームが書かれているが、これが「裏設定」なのか「没設定」なのか不明瞭[注 6]のため、本編で名前の確認できないものは「(仮)」をつける。

Uボー
本作の主人公
全身赤くて顔だけ白い姿をしており、先に球体のついたひも状の尻尾を引っ張ることで飛行形態(直径数メートル程度の中央が盛り上がった円盤形)と着陸形態(すすむぐらいの大きさで一輪車のような足で直立)を切り替えられる[6]。手は伸縮自在で指はないが物を持つ事は可能。
本人曰く「遠い星」から来たとのこと[7]、ただし一時帰宅が2・3日で済む描写もあるので移動時間は最大でも1日半ほど[8]。機械か生物かははっきりせず、円盤形態時には子供2人が余裕で乗れるキャノピーがついた搭乗席がある(操縦桿のようなものや計器は見当たらない)[9]が、食事や排泄もする[10]
すすむ
本作のもう一人の主人公。
好きなものは野球だが下手[11]で、力も弱く子供同士の相撲ではゴンタはともかくダンゴやさとるを含むその場にいた全員に敗退した[12]。嫌いなものは「風呂」でUボーが嫌がる彼に道具を使って入るように仕向ける話が何度かある[13]
工作の腕前はそれなりにあり、一切Uボーの力を借りずに紙とゴム動力機から糸を伝ってプロペラで進むモノレールを作っている[14]、粘土工作は「フルーツねんど」で下手なような描写があったが同じ回を含む複数の回でUボーが粘土系の道具を出した時ではうまくいっているので材料の問題らしい[15]
年齢は不詳だが学校の場面がある[16]ので幼稚園児以下ではない。
金魚(琉金)を飼っている[17]
デザイン画では「天川進」という漢字表記がされている。
すすむの父
工作が得意だと言っているが実際は下手で鳥の巣箱を犬小屋や虫かごのようにしてしまうほど[18]
デザイン画では「天川広」という名前がある。また、彼の別デザインか他の天川家の人間かは不明だが没キャラに「天川かける」という男(すすむに髪型は似ているが広より大柄で眉毛が太く精悍な顔立ちをしている)が描かれている。
すすむの母
額縁の裏にへそくりを隠す癖があり、Uボーによく発見される[19]
ペットを飼うのを禁止している[20]
デザイン画では「天川光子」と名前がある。
まりこ
すすむの友達のもこもこした髪の女の子、すすむの家に遊びに行った際に一緒にお風呂に入るぐらいの仲。第1話から登場。
ほぼ全部の場面(すすむの母なども含む)で「まりちゃん」と呼ばれているが、本人の手紙に「まりこ」という字が確認できる[21]
様々な回でペットを飼っている描写があり、猫(みいちゃん)・犬・小鳥・コイなどが登場[22]
家族らしい人物は「成人女性(空とぶ糸電話)」、「年配男性(ピストルクリーム)」、「成人男女[注 7](すすむのスーパーカー)」、「成人男性(手のり金魚をまもれ)」が登場するが、関係がまりこからも他の人間からも明言されておらず、家族構成は不明。
バレエ(劇中での表記は「バレー」)を習っているがあまりうまくない[23]
デザイン画では「若山まりこ」と名前がある。
ゴンタ
すすむの遊び仲間の小太りでたらこ唇のガキ大将、第1話から登場するが名前は「ほんものカメラ」の回に登場。
子供達の中では権力はあるが母親には頭が上がらない[24]、父親はほとんど登場せず「ホタルの光」のラスト1コマにそれらしい人が映るのみ。
大型の茶色い犬(犬種は不明)を飼っている[25]が、余り大事にしていない。
デザイン画には「黒金大八郎[注 8]」と「ゴンタ」、そして線を引いて消された「アンコウ」の名前が書かれている。
ダンゴ(仮)
すすむの遊び仲間のかなり小柄でおかっぱに近い髪型の少年。第1話から登場するが名前・あだ名は劇中一度も呼ばれていない。
第1話から登場し、初期はレギュラーだったが、途中からほとんど出てこなくなる。
「池を作ろう」で庭の池にコイと思しき魚を飼っている描写がある。
デザイン画には「月見団吾」「ダンゴ」の名前がある。
さとる
すすむの遊び仲間の、まん丸グルグル眼鏡にヘルメットのような髪型をして天狗のような鼻にたらこ唇の少年、名前は「空とぶ糸でんわ」の回に登場。
特徴的な鼻は父親譲り[26]
デザイン画には「明智さとる」と名前がある。
フクロウに似た少年(仮)
すすむの遊び仲間の眼鏡に尖り口の少年、「ホタルの光」から登場する。
ゴンタとコンビですすむをいじめたりもするが、ゴンタの失敗を笑ったり、すすむと一緒に遊ぶことも多く立場が安定しない。彼が高価なおもちゃなどを見せびらかして自慢するパターンも多い。
登場回数が多いがデザイン画には容姿・名前含め未記載。仮称は「ぼうけんめがね」「動物めがね」で人間が動物に見える状況の際、彼は両方とも「フクロウ」だったことから。
けんちゃん
すすむに似ているが眼鏡(普通の眼鏡でフレーム上部が平ら)をかけた少年。名前は「動物がラジコンに…」の回に登場。
「トラ」という名前の猫を飼っている[27]
名前が判明しているが登場頻度が低く、主に子供が多数集まっている際にモブでいることが多い[28]。デザイン画には容姿・名前含め未記載。

Uボーの能力

Uボーは 様々な道具を口の中から取り出せる(明らかに体より大きい物も収納している)が、特に初期の回は本人内蔵の能力を使う事も多い。
飛行
最初から見せた能力で使用回数がとても多く、飛行形態になって空を飛ぶ。逆に道具の効果を除き着陸形態で空を飛ぶ場面はない。
色々な効果のある光線を目から出す
(「」表記は劇中に呼称があるもの、そうでないのは効能から。)
壁を見透かす白色光線(おるすばんはどろぼうと)
当てた無生物が動くようになる黄色光線「アニマライト」(「まいごのこいのぼり」など)
「おもちゃでドライブ」の回では、この効果に加え当てたおもちゃの車が人に乗れるサイズまで巨大化している。
当てたものを成長させる赤色光線(「すすむはもうおとな?」)
すすむを大人に成長させた、なお戻す方法については劇中で未使用のまま話が終わっているため不明。
巨大化させる黄色光線「デカライト」(「おもちゃでドライブ」)
同じ回で使用している「アニマライト」とやっていることはほぼ同じ(おもちゃの船を巨大化させて乗る)だが、双方Uボーが使用時に名前を言っている。
また「おもちゃの怪獣」の回では人形に目からの黄色光線を当ていると巨大化して自立行動を始めたが、Uボーが光線名を言わなかったのでこの光線がアニマライトとデカライトどっちなのかは不明。
シャボン玉を吹くと任意の形に変えて動かせる[29]
この時のシャボン玉の道具はすすむが遊んでいた市販のものでUボーの道具ではない。
口に物を入れて縮小する能力[30]
口に入れたものを「チイサクナーレ」と言って小さくする。なお戻す方法は劇中で未使用のまま話が終わってしまったので不明。
鼻から浮力のあるガスを出す[31]
本を叩きつけて相手を絵本の世界に送り込む[32]
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書誌情報

  • 藤子・F・不二雄Uボー小学館藤子・F・不二雄大全集〉、2010年。ISBN 978-4-09-143444-9

これ以外に原作自体が単行本化される以前の1989年に『驚異の小宇宙 人体』の絵本版『Uボーのいのちふしぎ絵本』シリーズにUボーが登場したことがある。 ストーリーは本筋とつながりは特になく、宇宙から来たUボーが人体について解説する内容。いずれも著者は藤子・F・不二雄と市野治美の共同名義。出版は小学館より。

脚注

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