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UPS航空2976便墜落事故
2025年11月4日にアメリカ合衆国ケンタッキー州で発生した貨物機の航空事故 ウィキペディアから
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UPS航空2976便墜落事故は、2025年11月4日にアメリカ・ケンタッキー州ルイビル近郊で発生した航空事故である[1]。
この項目では最近の災害に関する情報を扱っています。災害の状況は急速に変化していく可能性があり、関連する情報は不確実な内容を含んでいるおそれがあります。この項目の最新版の内容も常に最新の情報を反映しているとは限りません。 |
ルイビル・ムハンマド・アリ国際空港からハワイ州ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に向かう予定だったUPS航空2976便(マクドネル・ダグラス MD-11F)が、ルイビル国際空港17R滑走路から離陸した直後の現地時間午後5時13分(UTC-5)に墜落した[2]。
この事故で乗員3人全員が死亡した他、地上にも多くの被害が発生した。この事故は現在、国家運輸安全委員会(NTSB)が調査を進めている。
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事故機
事故機はマクドネル・ダグラス MD-11F(機体記号:N259UP、製造番号:48417)で1991年に初飛行し、旅客機として7月にタイ国際航空に納入された(機体記号:HS-TME)。
その後、貨物機として改造され、2006年にユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の完全子会社であるUPS航空に納入された。当機はゼネラル・エレクトリック CF6-80C2D1Fエンジンを3基搭載し、機齢は34年を超えていた。同機は2025年10月18日に整備点検を済ませたばかりであった[3][4]。
事故の詳細
フライトレーダー24の飛行追跡データによると、事故機は最大高度175ft(53 m)に達し、最高地上速度は186kt(344 km/h; 214 mph)だった。[5]事故当時、主翼内の燃料タンクには14万リットルのジェット燃料が搭載されていたが、危険な貨物は運んでいなかった。
航空機は離陸直後に左主翼部分から炎を上げ、左に大きく傾いた後、UPSが保有する倉庫の屋根に衝突し、左に急速に横転して空港付近の工業地帯に墜落した[6]。墜落により約6,920㎞離れたホノルルまでの同型貨物機ほぼ満載約144,000リットルのジェット燃料と工場が取り扱っていた廃油が飛散・引火し、墜落現場付近で大規模な火災が発生した[7]。
火災は4日現地時間午後10時30分(UTC-5)までにほぼ完全に鎮火し、犠牲者の捜索を行っている。事故の際に複数の工場の建物が焼損、破壊され人が中に閉じ込められたという報告もある。
事故後、滑走路17R近くの芝生の一部に左エンジンの残骸が落下しており、離陸時に左エンジンが機体から脱落したと調査で判明した[8]。
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被害状況
当局は、少なくとも乗員全員と地上13人の合わせて16人が死亡し[9]、15人が負傷したほか、16世帯から家族が行方不明との報告を受け、さらに死者数が増える可能性もある。負傷者の何人かは重傷を負い、近くの病院で治療を受けている。
アンディ・ベシア知事は、死亡した人が航空機にいたのか地上にいたのかは確認できず、乗組員の状態がまだ分かっていないと述べていた。またべシア知事によれば、機体は空港周辺にあった石油リサイクル施設にほぼ直撃したという[10]。
反応
ケンタッキー州を含む多くの地元の政治家が犠牲者に哀悼の意を表した。ミッチ・マコーネル並びにランド・ポールの上院議員2名が哀悼の意を表している。モーガン・マクガービー議員は、現場の第一応答者の勇気に感謝を表した。またUPS航空も声明を発表している[11]。
ルイビルとインディアナ州ジェファーソンビルの間のオハイオ川を渡るビッグフォー橋は、UPSのロゴカラーの1つである黄色で照らされた。
影響
ルイビル国際空港は一部を除いて営業が再開されたが、事故があった17R滑走路は今後10日間ほど閉鎖され、滑走路が1本しか使用できなくなるため、航空便に大幅な遅れが生じている[12]。 また、同空港はUPSの同社最大ハブ「Worldport」が稼働していたが、6日朝まで業務停止し、一部遅配などの影響が出たと見られている[13]。
事故を受けてUPSは11月7日、保有するMD-11Fの運航停止を決定した。FedExも運航を見合わせている[14]。FAAも全同型機に対し飛行前に航空機の点検と必要な是正措置を義務付ける緊急耐空性改善通報を発行した[15]。
調査

国家運輸安全委員会と連邦航空局が調査に着手。事故現場からコックピットボイスレコーダーとフライトデータレコーダーが回収され[16]、そして両方からデータが正常にダウンロードされた[17]としている。
脚注
関連項目
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