インドネシアの地方行政区画
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インドネシアの地方行政区画(インドネシアのちほうぎょうせいくかく)は、州(インドネシア語: provinsi あるいは propinsi)が最上位の地方行政単位である。州知事が最高責任者であり、5年ごとに改選される。州の下には県(カブパテン、インドネシア語: kabupaten)・市(コタ、インドネシア語: kota)が置かれるが、名称の違いがあるだけで制度的には同レベルの存在である。農村部主体の地域を県、都市部主体の地域を市と呼ぶ。これらはそれぞれ政府、議会および知事を持つ(例えば州政府、州議会および州知事)が、州は中央政府の代理機関という属性を持つのに対し、県以下は地方自治に特化した存在となっている。
県は5つ以上の郡(クチャマタン、インドネシア語: Kecamatan)、市は4つ以上の郡からなり、これら郡はさらに区(クルラハン、インドネシア語: Kelurahan)に分けられる。農村部では区ではなく、地域の固有性に配慮した境界をもって分割され、それらは村(デサ、インドネシア語: Desa)と呼ばれ、自治性が区より高い。区長は郡長の提案により県知事または市長から任命される一方、村長は住民による直接選挙で選ばれ、県知事または市長から任命されるのである。ただし、村は金銭面で自治の維持が難しく、区へと移行するケースが多いという。
特殊な存在として特別地区(インドネシア語: Kawasan Khusus)があり、特別行政地区、自由貿易地区や産業活動促進地区といった特区が州もしくは県または市の下に置かれる。ただし、その地方政府とは別に大統領が任命した委員が含まれる地域評議会や自由貿易地区運営機関が地区の政策決定や運営を行う。バタム島、ビンタン島、カリムン島などが自貿区の例である。