カムランド
日本のニュートリノ振動実験 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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カムランド(KamLAND)は、東北大学大学院理学研究科付属ニュートリノ科学研究センター(Research Center for Neutrino Science)による反ニュートリノ検出器である。KamLANDという名称はKamioka Liquid Scintillator Anti-Neutrino Detector(神岡液体シンチレータ反ニュートリノ検出器)の略である。カムランドは岐阜県飛騨市(旧神岡町)にある神岡鉱山の坑道内のカミオカンデ跡地につくられた。カミオカンデが水チェレンコフ検出器であったのに対し、液体シンチレータを用いることによって、より低いエネルギーのニュートリノを検出することができる。
カムランドの周辺には複数の原子力発電所が存在する。原子力発電所の原子炉では核燃料中の放射性核分裂生成物の崩壊により反電子ニュートリノ () が生成される。この検出器は原子炉で生成されるニュートリノの25%にあたる、1.8 メガ電子ボルト (MeV) の閾値エネルギー(英語版)を超えるニュートリノを検出することができる。
もしニュートリノが質量をもつならば、ニュートリノ振動によって反電子ニュートリノがカムランドでは検出できないフレーバーのニュートリノに変化し、反電子ニュートリノの減少あるいは「消失」に至る。カムランドは原子力発電所から平均180キロメートル (km)離れた位置にあり、これによって太陽ニュートリノ問題の解決策であるニュートリノの大混合角による混合を感度良く検出することができる。