グラマースクール
ウィキペディア フリーな encyclopedia
グラマースクール(英: grammar school)は、イギリスおよび英語を主要言語とする国の教育史において数種類ある学校のうちの1つである。現在この学校は中等教育を形成している。文法学校(ぶんぽうがっこう)ともいう。 中世におけるグラマースクールの本来の目的はラテン語を教えることにあったが、そのうちカリキュラムが拡大し、まず古代ギリシャ語や時にはヘブライ語、後に英語や他の欧州の言語を、そして同様に自然科学や数学、歴史、地理学などの科目も教えるようになった。ビクトリア時代の後半、異なる教育制度を発展させたスコットランドを除くイギリスの各地で、グラマースクールは中等教育を施すために再編成された。こうしたグラマースクールはイギリスの統治領でも設立され、各地でそれぞれ違う形に発展していった。
1940年代半ばから1960年代後半にかけて、グラマースクールはイングランドとウェールズで三分岐型教育制度(英語版)[note 1]からなる公立中等教育の選択肢の1つとなり、北アイルランドでは継続している。1960年代から1970年代の非選択制のコンプリヘンシブ・スクール[note 2](総合制中等学校)[note 3]へ移行すると、一部のグラマースクールは完全に独立し有償化したが、ほとんどの学校は廃止されるかコンプリヘンシブ・スクールになった。いずれの場合も多くの学校では校名に「グラマースクール」が残った。イングランドの一部の地域では、三分岐教育制度を維持しており、総合学校化された地域にも少数ではあるがグラマースクールが残っている。現存するグラマースクールには16世紀以前にその歴史を辿れるものも存在する。