ヒジャーズ鉄道
ウィキペディア フリーな encyclopedia
ヒジャーズ鉄道(ヒジャーズてつどう、Hejaz railway)は、オスマン帝国によって建設された、シリアのダマスカスから現在のサウジアラビアの聖地マディーナ(メディナ)までの区間を、シリア、ヨルダン、およびアラビア半島西部のヒジャーズ地方を縦断して連絡した鉄道である。総延長は1,308km、軌間は1,050mmで、オスマン帝国の鉄道網の一部をなしており、当初の計画では聖地マッカ(メッカ)を終着駅にしていた。
概要 ヒジャーズ鉄道, 基本情報 ...
ヒジャーズ鉄道 | |
---|---|
ダマスカスに残るヒジャーズ鉄道のヒジャーズ駅 | |
基本情報 | |
国 |
シリア ヨルダン サウジアラビア |
起点 | ダマスカス |
終点 | マディーナ(メディナ) |
開業 | 1908年 |
廃止 | 1920年 |
路線諸元 | |
路線距離 | 1,308 km |
軌間 | 1,050 mm |
テンプレートを表示 |
閉じる
その敷設目的は、ムスリムたちの聖地であるマッカやマディーナへ向かうハッジ(大巡礼)の巡礼者たちの交通のためであるとされたが、真の目的は、オスマン帝国の宗教に対する支配やヒジャーズ地方に対する軍事支配を強め、またダマスカスとヒジャーズ地方との交易を強化するためであったとも考えられる。実際、当初から沿線に電信線が敷設されていた。
鉄道は1900年に建設開始され、1908年に完成し多くの巡礼者や兵士を南へ運んだが、第一次世界大戦時にイギリスの支援を受けたアラブ勢力に破壊され、路線のほとんどは以後再建されることはなかった。