ヒートパイプ
ウィキペディア フリーな encyclopedia
ヒートパイプ(英語:heat pipe)とは、熱の移動効率を上げる技術・仕組みの一つ。単に効率を上げるだけでなく、一方の温度が高い場合にのみ移動効率を発揮する熱ダイオードとしての使用法もある。なおメカニズム的には、熱伝導を上げているわけではなく、作動液の移動を用いて熱を移動させる仕組みである。
NASAにより人工衛星中の放熱に利用されたのが実用化の始まりである。熱伝導性が高い材質からなるパイプ中に揮発性の液体(作動液, Working fluid)を封入したもの。パイプ中の一方を加熱し、もう一方を冷却することで、
- 作動液の蒸発(潜熱の吸収)
- 作動液の凝縮(潜熱の放出)
のサイクルが発生し熱を移動する。
冷却部を加熱部より高い位置に設定することにより、凝縮後の作動液を加熱部に戻すことができるが、パイプ内壁をウィックと呼ばれる毛細管構造にすることにより、高低差がない場合や無重量状態でも利用が可能になる。