プッシュプル列車
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プッシュプル列車(プッシュプルれっしゃ)は、鉄道の動力集中方式において、編成の一端に機関車、他端に無動力の制御車を配し、機関車を付け替えることなく、前後双方向に同じ速度での走行を可能とした列車である。
これにより機関車交換や機回しを解消し、折り返し時間が短縮できる利点がある。ドイツ語圏ではこの形態を「ヴェンデツーク」 (Wendezug) 、フランス語では「リヴァーシビリテ」(Réversibilité)と呼ぶ。
編成の一端を無動力の制御車としたもの、両端を制御車として機関車または運転台の無い動力車を中間に挟んだもの、両端を機関車または運転台のある動力車としたものがある。制御車を先頭に運転する際は、機関車・動力車を遠隔制御して推進する形となる。
この形態は高速鉄道にも引き継がれており、両端を動力車とする準動力集中方式がTGV、ICE 1、アセラ・エクスプレスで、片側を制御車とした方式がICE 2、SJ2000でそれぞれ採用されている。