ボーイング707
ボーイング社製の第1世代ジェット旅客機であり、ボーイング7×7の始まりの機種でもある / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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ボーイング707(Boeing 707)は、アメリカのボーイング社が開発した4発式のジェット旅客機。
ボーイング707
1950年代初頭に原型機の367-80の開発が開始され、胴体直径の拡大といった改設計を経て1958年に路線就航した。ダグラス DC-8やコンベア880(CV880)と並ぶ、第1世代ジェット旅客機を代表する機種であり、ボーイングの7X7シリーズの始祖でもある。
1950年代後期、世界の民間航空業界における大型ジェット旅客機の商業的優越を決定づけた、航空史に残る歴史的機体である。ジェットエンジンの高出力を活かして機体大型化と速度向上を図り、それ以前の大型レシプロプロペラ旅客機を遥かに凌駕する定員100名超の輸送力と、(商業運航される大多数の旅客機の実用上限速度として21世紀初頭に至っても踏襲される)マッハ0.8級の快速を両立させた。また、主翼下のポッドに吊り下げて装備したエンジン、座席をどのような間隔で配置しても窓なしの座席が生じないように小さく多数並べたキャビン窓という、以後のジェット旅客機の基本的なスタイルを確立した。
その高い完成度から世界各国の民間航空会社の他、政府・軍の公用機としても広く採用され、1991年までの長期にわたって1,000機以上が生産される商業的成功を収めた。また派生形のボーイング720も開発されたほか、胴体設計の流用で、中型3発ジェット機727、小型双発ジェット機737をも産み出す母体となったことは特筆される。707に始まる一連のジェット旅客機シリーズの成功で、ボーイング社はその後半世紀以上に渡り世界的な旅客機メーカーとしての地歩を固めることに成功した。