マリアによる福音書
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マリアによる福音書(まりあによるふくいんしょ)は、グノーシス主義の福音書文書の1つである。
初期キリスト教の『新約聖書』の外典としてこの名の書籍の存在が伝わっていたとされるが、不明点が多く、全容は知られていなかった。しかし19世紀に偶然に発見され、内容から外典とされていた『マリアによる福音書』であることが確認された。『ナグ・ハマディ写本』から発見された諸文書とともに、グノーシス主義の原典資料として貴重であるだけでなく、初期キリスト教や当時の地中海世界の宗教状況の研究にも重要な文書である。
この文書において登場人物の名前はマリハムと表記されている[1]。マリハムは、マリア(マリヤ)と訳されている[注釈 1]。一般的には、イエスの母マリアではなくマグダラのマリアと考えられている[注釈 2]。そのため、本文書は『マグダラのマリアによる福音書』とも呼ばれる。