レインタイヤ
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レインタイヤ(Rain tyre, Rain tire)とは、モータースポーツにおいて濡れた舗装路面を走行するために使用される車両用のタイヤ。
高度に性能を追求したモータースポーツにおいて、通常使用するタイヤは乾燥した路面上を走行する場合に最高の性能を引き出すために、基本的に濡れた路面上を走行することを考慮していない。摩擦係数が極端に小さく、また温度が低い濡れた路面上を走る場合は、タイヤそのものをこのレインタイヤに交換することで解決している。
レインタイヤはスリックタイヤなどの乾燥路面用タイヤとは違い、排水用の溝があり、また表面の素材もドライ路面用タイヤより低い温度に適応するように設計され、濡れた路面で最高の性能を発揮するように製造されている。そのため乾燥路面用タイヤとは反対に、乾燥路面上での使用はほとんど考慮しておらずレインタイヤはそもそも素材自体が乾燥路面用タイヤとは異なっている。
路面状況により複数種類のレインタイヤを使用するカテゴリーでは、それぞれのレインタイヤを区別するため、呼びわけがされることがあり、2009年のF1では、以下2種類のレインタイヤが使用された。
- インターミディエイト(スタンダードウェット)
- トレッドパターンをトレッド中心から放射状に設け、濡れた路面(乾きかけた路面)や小雨時に使用する。ドライ用とエクストリームウェザータイヤの中間的性能をもつ。
- エクストリームウェザー(ヘヴィーウェット)
- 豪雨下や水捌けの悪い舗装路面で使用することを想定し、市販車用のタイヤと同じようなトレッドパターンを設けたタイヤ。
なお、グルーブドタイヤは乾燥路面用のタイヤであり、溝はあるがレインタイヤではない。また、軽度に濡れた路面では、スリックタイヤに溝を追加したものが使用されることがあり、そのようなタイヤはしばしばカットスリックと呼ばれる。