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樵または木樵(きこり、英: woodcutter, lumberjack, logger, faller, feller)とは、森林の樹木を斧などにより伐採すること、もしくはそれによって生計を立てている者を指す。樵夫(しょうふ)や杣夫(そまふ)、林業を担うことから林業従事者とも呼ばれる。中世以前では、杣工と呼ばれた。昔話などにも登場する。
江戸時代には、高木に登って伐採や剪定作業を行い屋敷林を整備する職業、空師(そらし)も成立した[1]。
「木伐(こ)る」というラ行四段活用動詞(「木」と「伐(こ)る」との複合動詞)の連用形「木伐り」からの転成名詞と考えられる。「伐る」は、「木を切る/伐採する」の意味。
ごくわずかに名字として用いられる場合もある。
製材所の所有者や経営者は、英語ではtimbermanと呼ばれる。
木を切り倒す作業は、かつては斧または鋸を併用して行われてきたが、現代ではチェーンソーを用いることが一般的である。また、必要に応じて鋸、くさび、くさびを打ち込むハンマー(ヨキ)、ロープ、ウインチ、バールなどを使用する。
まず、安全に伐倒させる方向を確認し受け口を切る。受け口は、直径の1⁄4から1⁄3程度を目安に水平方向から切り込みを入れ、さらに上方から水平の切り込み面に向け30度程度の角度をもって、斜めに切り込みを入れる。受け口によりできる三角形の木片は取り除く。切り残しの部分は、「つる」といい、後に倒す際のスピード・方向をコントロールする要素となる。
次に、つるの部分に反対方向から追い口を入れる。追い口は、受け口の高さの2⁄3程度の高さを目安に水平方向に切れ込みを入れる。追い口を入れることで、つるは立木の自重で挫屈し、受け口方向へ倒れるため加減を入れながら行うことが基本である。切れ込みを一気に受け口まで入れることは、立木の倒れる方向や早さを変化させることから危険である。直径の大きい木は、適宜切れ目にくさびを入れてハンマーで打ち込むことで倒したり、ロープとウインチを併用して伐倒方向を制御する。こうした作業を全て高性能林業機械(ハーベスタ)で行うことがある。
間伐など立木が密生して行う場所では、伐倒した木が隣の木にかかり完全に倒れない「かかり木」が発生しやすい。かかり木は、放置すると不意に倒れることから危険であり、その場で対処することが必要である。対処方法はその状況にもよるが、つるの調整によって伐倒木を回転させたり、木回し棒(フェリングレバー)を用いて回して落とす。根本にバールなどを当てて、てこの原理で伐倒した木を安全な方向へ根気よく動かし、立木から離すことが原則である。また、危険ではあるが、かかり木に向かって新たな木を当ててその両方を倒す技術がある(あびせ倒し)。 安全に作業するためにワイヤーで引っ張りながら伐木することもある(チルホール伐倒)。
伐倒した木は、枝を落とし、流通を考慮した長さに切る(玉切り)作業の後、ウインチやケーブルクレーン、グラップルなどにより引き上げられ、トラックや林内作業車によって林外へ搬出される。大規模な傾斜の緩い伐採地であれば、ブルドーザーなど大型重機による引き出し、奥地でかつ高価な木材であればヘリコプターによる搬出がごく稀に行われる。
材木の移動などに馬などが利用され、内燃機関の発展によってチェンソーなどが発明されたが、それらの作業を複数同時に行える高性能林業機械が発明されるようになった[5]。
このような作業の過程は、事故が連鎖的に発生することが多く、熟練の作業者が丁寧に安全を確認しながら実施しても、これを完全に防ぐことはできない。医療サービスから遠く離れた足場の悪い山の中での作業がある林業労働者の労働災害発生率は、日本やアメリカでは平均的な工場労働者より高い割合で発生している[6][7][8]。
伐採中の死亡が一番多く、次いで集材作業が多い[6]。
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