生体異物
生体内に存在する化学物質のうち、自然には産生されないもの / ウィキペディア フリーな encyclopedia
生体異物(せいたいいぶつ、英: xenobiotic)とは、生体内に存在する化学物質のうち、自然には産生されないもの、または存在するはずのないものを指す。また、通常よりもはるかに高い濃度で存在する物質を指すこともある。下水処理場の排水口の下流に生息する魚にヒトのホルモンが取り込まれた場合や、身を守るために一部の生物が産生する化学物質が捕食者に取り込まれた場合のように、天然化合物も他の生物に取り込まれた場合に生体異物となることがある[1]。
しかしながら、生体異物という用語はダイオキシンやポリ塩化ビフェニルなどの汚染物質とその生物相への影響という文脈で使われることが非常に多く、こうした文脈では生物システム全体にとって異質な物質、すなわち人間が合成する前は自然界に存在しなかった人工的な物質を指して用いられる。