尺八
日本の木管楽器 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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尺八(しゃくはち)は、日本の木管楽器の一種である。リードのないエアリード楽器に分類される。「尺八」の名で呼ばれてきた楽器は時代ごとに複数ある。最古の「古代尺八(雅楽尺八)」と呼ばれる様式のものは中国の唐を起源とし、奈良時代に日本に伝来したが10世紀頃には完全に廃れた[1]。その後15世紀に「一節切」と呼ばれる様式の尺八が誕生し17世紀に隆盛したが19世紀には廃れた[2]。 現在「尺八」と呼ばれているものは「普化尺八(ふけしゃくはち)」であり16世紀末の日本で開発され、現在までその命脈を保っている[3][4]。
名称は、標準の管長が一尺八寸であったことに由来し[5]、有力な説は、『旧唐書』列伝の「呂才伝」の記事によるもので、7世紀はじめの唐の楽人である呂才が、筒音を十二律にあわせた縦笛を作った際、中国の標準音の黄鐘(日本の十二律では壱越:西洋音階のD)の音を出すものが一尺八寸であったためと伝えられている[6]。ただし時代と国によって「尺」の単位の実際の長さが違うので注意が必要であり、日本の江戸時代の普化尺八では約54.5 cmである。演奏者のあいだでは単に竹とも呼ばれる。英語ではshakuhachiあるいは、Bamboo Fluteとも呼ばれる。
現在に至るまで主流の普化尺八の伝統的な様式では、真竹の根元を使い、7個の竹の節を含むようにして作るものが一般的である。一般的に手孔は前面に4つ、背面に1つある。上部の歌口に息を吹きつけて音を出す。
尺八に似た楽器として、西洋のフルートや南米のケーナがある。これらは、フィップル(ブロック)を持たないエアリード楽器である。